罪と罰・試訳　一線を越えた人間の苦悩と愛が、時空を越えて今日もここに響く…

　≪Ему гадки были все встречные, - гадки были их лица, походка, движения.
Просто наплевал бы на кого-нибудь, укусил бы, кажется, если бы кто-нибудь с ним заговорил...
Он остановился вдруг, когда вышел на набережную Малой Невы, на Васильевском острове, подле моста. "Вот тут он живёт, в этом доме, - подумал он.≫

＜試訳＞　彼には行き交う人々が皆不快だった。彼等の顔も、歩きぶりも、挙動までも忌まわしかった。
もしも誰かが彼に話しかけようものなら、何も言わずいきなり唾を吐きかけ、もしかすると噛みついたかも知れない…。
彼はワシーリエフ島にある小ネヴァ河の河岸通りに出ると、橋のたもとで突然立ち止まった。“ ああ、ここはあいつの住んでいる家だ ” と彼は思った。

・　自分のやりきれない気持ちを他へ向けて八つ当たりしている不遜な感情です。そんな鬱憤に突き動かされながら歩き回っているうちに、島に渡っていたのです。友人の家に行き当ったのは、無意識のうちに求めているものがあったのだと思います。今の彼に必要なのは心おきなく話せる友人です。