農奴解放の影響もを受けずに済みましてね ― 2024-07-25
≪Оно конечно, одет прилично и числюсь человеком не бедным; нас ведь и крестьянская реформа обошла: леса да луга заливные, доход-то и не теряется; но... не пойду я туда; и прежде надоело: хожу третий день и не признаюсь никому... А тут ещё город! То есть как это он сочинился у нас, скажите пожалуйста! Город канцеляристов и всевозможных семинаристов! Право, я многого здесь прежде не примечал, лет восемь-то назад, когда тут валандался... На одну только анатомию теперь и надеюсь, ей-богу!≫
<試訳> 「そりゃもちろんでしょう、私は身なりもきちんとしてしているし、貧乏人でもありませんからな。農奴解放の影響もを受けずに済みましてね。森林と川沿いの牧草地が主なので、収入も減りませんでしたよ。けれど…、私はそんな連中の所へは行きません。以前からうんざりしているんでね。3日歩き回っても、誰にも声をかけないくらいで…。さらに、この町ときたら! なんでこのようなものが我がロシアに作り出されたのでしょうなあ? 役人達と、ありとあらゆる神学生の町! 実際、8年前にここでぶらぶらしていた頃は、ずいぶん多くの事を見おとしていたもんです…。今の私の望みは解剖学だけです、全くの話!」
・ 農奴解放令は1861年、作者が40歳の時です。ロシア社会が大きく変動し、混乱もありました。スビドリガイロフは地方の地主貴族ですが、農地を手放さずに済み、お金に不自由なく気ままに生きています。ちょうどこの農奴解放令の年に誕生したのがチェーホフで、(ドストエフスキーの約40歳年下)、彼が戯曲「桜の園」で、没落していく地主貴族の哀感を描いているのが対照的です。
<試訳> 「そりゃもちろんでしょう、私は身なりもきちんとしてしているし、貧乏人でもありませんからな。農奴解放の影響もを受けずに済みましてね。森林と川沿いの牧草地が主なので、収入も減りませんでしたよ。けれど…、私はそんな連中の所へは行きません。以前からうんざりしているんでね。3日歩き回っても、誰にも声をかけないくらいで…。さらに、この町ときたら! なんでこのようなものが我がロシアに作り出されたのでしょうなあ? 役人達と、ありとあらゆる神学生の町! 実際、8年前にここでぶらぶらしていた頃は、ずいぶん多くの事を見おとしていたもんです…。今の私の望みは解剖学だけです、全くの話!」
・ 農奴解放令は1861年、作者が40歳の時です。ロシア社会が大きく変動し、混乱もありました。スビドリガイロフは地方の地主貴族ですが、農地を手放さずに済み、お金に不自由なく気ままに生きています。ちょうどこの農奴解放令の年に誕生したのがチェーホフで、(ドストエフスキーの約40歳年下)、彼が戯曲「桜の園」で、没落していく地主貴族の哀感を描いているのが対照的です。
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