お願いするとすぐにおいで下さったの2010-06-14

カテリーナは嬉しそうにグルーシェンカを紹介する

≪Катерина Ивагновно мигом усадила её в кресло против Алёши и с восторогом поцеловала её несколько раз в её смеющиеся губки. Она точно была влюблена в неё.
- Мы в первый раз видимся, Алексей Фёдорович, - проговорила она в упоении; - я захотела узнать её, увидать её, я хотела идти к ней, но она по первому желанию моему пришла сама.≫

<試訳>カテリーナ・イワーノブナはアリョーシャと向かい合わせの肘掛椅子にすぐに彼女を座らせて、感極まって何度か彼女のほほ笑んでいる唇に接吻した。まさしく彼女に夢中だった。
「私たち初めてお会いしますのよ、アレクセイ・フョードロビッチ」と、彼女は有頂天で話した。「私、この方を理解したかったの、お会いしたかったの。この方の所へ私がお訪ねしたかったところなの。でも、望み通りにこの方がすぐにご自身でおいで下さったんですのよ」

グルーシェンカの容姿や物腰や話し方などについて作者の詳しい説明が続いた後、いよいよこの場の3人のやりとりに入ります。カテリーナは喜々としてグルーシェンカをアリョーシャに紹介します。二人の女性の間で、先程まで話しがうまく進んでいたことを思わせます。カテリーナはアリョーシャに来訪するよう頼んだり、グルーシェンカとの話し合いを望んだりと、自分の思い通りに事を運びたいという、やや一人よがりなところを感じてしまいます。婚約者に裏切られようとしている彼女の苦しみと焦りに同情しますが。