犯罪ではない2021-04-18

 ≪Вопрос же: болезнь ли пророждает самое преступление или само преступлуние, как-нибудь по особенной натуре своей, всегда сопровождается чем-то вроде болезни? - он ещё не чувствовал себя в силах разрешить. Дойдя до таких выводов, он решил, что с ним лично, в его деле, не может быть подобных болезненных переворотов, что рассудок и воля останутся при нём, неотьемлемо, во всё время исполнения задуманного, единственно по той причине, что задуманное им - "не преступление"...≫

<試訳> そこで次の問題がある。病気が犯罪そのものを生み出すのか、それとも犯罪自体に特有な性質があり、常に病的な何かを伴うものなのか? 彼はまだこの問題を解決する力がないと感じていた。このような結論に達しながら、彼は自分に限っては犯行に際して病的な精神的動転のようなものはあり得ず、計画の実行の間じゅう判断力と意志を奪われずにすむだろうと断定した。そのただ一つの理由は、彼の企てが “ 犯罪ではない ” からだった…。

・ 自分だけは特別だと考えるのはいかにも彼らしいところです。彼の企てが “ 犯罪ではない ” というのは、社会的に通用しない主観的な考えだと思われます。現実から離れて論理だけに基づいている若さ特有の危うさです。その論理はいずれ明かされるでしょう。

コメント

_ 伯 ― 2021-04-18 10:34

犯罪に関して、善悪を軸に置いてないのが不思議です。ラスコー君もロシア人一般の宗教に関わっていると思うのですが。犯罪と認識しながら、犯罪ではない、、、、と思い切り実行するのですね。思考回路が明かされるのを待ちます。

_ mir→伯さん ― 2021-04-19 10:49

ご指摘で気づきましたが、本当にそうです。妹を思いやったり、道で見かけた酔った少女の境遇に同情したり、マルメラードフの家族の悲惨さを憐れんだりする彼が、一方で非情な企てを実行しようするのは、なかなかな理解できません。人間の多面性を感じます。彼自身の考えでは一貫していて、なすべき善行だと思い込んでいるのでしょうが、一般的な善悪の価値観とはかけ離れていると思います。そう言えば彼が宗教心を表す描写は今のところありませんね。

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