よければ明日でも2024-04-30

 ≪- Вы уж ужодите! - ласково проговорил Порфирий, чрезвычайно любезно протягивая руку. - Очень, очень рад знакомству. А насчёт вашей просьбы не имейте и сомнения. Так-таки и напишите, как я вам говорил. Да лучше всего зайдите ко мне туда сами... как-нибудь на днях... да хоть завтра. Я буду там часов этак в одиннадцать, наверно. Всё и устроим... поговорим...

<試訳> 「もうお帰りですかな?」 手を差し出しながら、ひどく愛想良くポルフィ―リイが言った。「お知り合いになれて大いに嬉しいです。ご依頼の件につきましてはご懸念に及びません。私が言った通りにお書き下さい。それより、直接署の方に立ち寄って下されば一番いいのですが… できれば2,3日中に… よければ明日でも…。私は11時頃にはあちらに必ずいます。すっかり片付けて… お話もしましょう…」

・ 去ろうとするラスコーリニコフに、判事は有無を言わせない調子で明日の再会を求めています。狙い通りなのでしょう。ラスコーリニコフは、質入れした銀時計の受け取りを申し出た手前、どうしても申請書を提出しに来なければなりません。犯行については何も言われてはいないのに、何か追い詰められていく感じがします。

コメント

_ 潤 ― 2024-04-30 07:55

良心がないはずのないラスコーリニコフ、心に思うことと行為後の思いもよらない自身の心の展開に右往左往の状態でしょう。いつの時代も絶えることのない他者からの殺傷、その他者になってしまったラスコーリニコフは直後に発覚を恐れたわけでもなく(一読者の感想)猛烈に苦しみだしたわけで、ポルフィーリイに会ったことは、自分の書いた論文の件も含めて心の整頓ができるのでは?

_ mir→潤さん ― 2024-05-01 08:27

とても深い読みをされ、一訳者としても同感です。もう全てを棄てた気持ちの彼は " 発覚を恐れたわけでもなく” それでいて何とか切り抜けようと苦労しています。判事との会話の中で、" 整頓された” 面はありますね。犯罪者としての自身の葛藤、家族の心情、苦しまないはずはありません。きっと犯行前には考える余裕もなかったのでしょう。今後の判事とのやりとり、家族との会話などの推移を楽しみに。

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