二人の息子とも兄ともなった2025-01-05

 ≪Не стану теперь описывать, что было в тот вечер у Пльхении Александровны, как воротился к ним Разумихин, как их успокоивал, как клялся, что надо дать отдохнуть Роде в болезни, клясля, что Родя придёт непременно, будет ходить кждый день, что он очень, очень расстроен, что не надо раздражить его; как он, Разумихин, будет следить за ним, достанет ему доктора хорошего, лучшего, целый консилиум... Одним словаом, с этого вечера Разумихин стал у них сыном и братом.≫

<試訳> その夜、プリヘーリヤの部屋で起こったことを、今は記すのはよそう。ラズミーヒンが二人の所へ戻って来ると、彼女達を慰め、病気のロージャには休養が必要なのは間違いないと説明し、ロージャは必ず来る、毎日やって来るだろうが、非常に調子が乱れているので苛立たせてはいけない、などと念を押した。自分自身はロージャを見守って、彼に腕の良い医者に立ち合い診察させる、等々と請け合った…。要するに、この晩からラズミーヒンは二人の息子とも兄ともなったのだ。

・ 作者は、“ 記すのはよそう ” とありますが、ラズミーヒンが二人の女性に伝えたラスコーリニコフの状況を簡潔に記しています。彼はラスコーリニコフに託された二彼女達の世話を忠実に守るでしょう。それは彼の望むところでもあります。

本日でブログが通算5000回目となりました。皆さんの閲覧、コメントやご指摘、画像提供のご協力などに支えられて続けてきました。ありがとうございます。
「カラマーゾフの兄弟」の試訳に取り掛かったのが2009年12月ですから、15年あまりの歳月が過ぎました。当初はこれほど続ける自信はなく、気負わずにトボトボ歩んで積み上げてきた結果です。
ドストエフスキーの作品の森の中で、多くのテーマに出会って皆さんと共に考えてきました。辞書を片手に一語一語を吟味する事で、この作者の言葉の力、思想の深さを知り、また生きる苦悩、愛と哀しみを感じる作業でした。新たな気持で歩を進めていきますので、今後もどうぞよろしくお願いします。深い感謝と共に。  2025・1・5 mir