今にも敵が総攻撃で2025-06-02

 ≪поймёт наконец, что он арестант. Говорят вон, в Севастополе, сейчас после Альмы, умные-то люди ух как боялись, что вот-вот атакует неприятель открытою силой и сразу возьмёт Севастополь; а как увидели, что неприятель правильную осаду предпочёл и первую параллель открывает, так куды, говорят, обрадовались и успокоились умные-то люди-с:≫

<試訳> 「いよいよ自分は囚人だ、と悟るわけです。なんでも噂では、セバストーボリでは、アリマの敗走後、識者達は今にも敵が総攻撃でセバストーポリ要塞を陥落させるのではないかと恐れ慄いていたそうですよ。ところが、敵が正攻法の包囲戦を選んで、最初の平行濠を掘り始めるのを見ると、今度はその識者達は大いに喜んで、ほっとしたという話です」

・ 判事は犯罪者の心理を説明するために、わざわざこのような例を持ち出しています。セバストーポリはクリミア戦争の最後の激戦地です。1853年、ロシアは南下政策でオスマン帝国に宣戦し、1856年オスマン・英・仏・サルディーニャの連合軍に破れました。黒海沿岸の覇権を巡ってヨーロッパ全土を巻き込んだ戦乱となり、その後の各国の政情に大きな影響を与えています。この作品が書かれたのが1866年ですから、作者にとっては10年ほど前の事で記憶に新しかったでしょう。

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