罪と罰・試訳　一線を越えた人間の苦悩と愛が、時空を越えて今日もここに響く…

　≪- Это было не бреду, это было наяву! - вскричал он, напрягая все силы своего рассудка проникнуть в игру Порфирия. - Наяву, наяву! Слышите ли?
- Да, понимаю и слышу-с! Вы и вчера говорили , что не в бреду, особенно даже напирали, что не в бреду! Всё, что вы можете сказать, понимаю-с! Э-эх!..≫

＜試訳＞　「熱に浮かされてではなく、あれは正気でやったんです！」 ― 理性を保ってポルフィーリイの戦術を見抜こうと懸命になって彼は叫んだ。「正気でした、正気でしたよ！ お分かりですか？」
「ええ、分かっています、聞いていますよ！ あなたは昨日も、正気だったと話されて、正気だった事をことさら強調されたほどでした！ あなたのおっしゃりたいことは何でも分かりますよ！ ええ、ええ！」

・　ラスコーリニコフは自分の行動はあくまで 「正気だった」 と主張します。事件現場を見に戻ってり、呼び鈴を鳴らしてみたり、血の着いた床の処理について職人に尋ねてみたりした事も、考えた上でだと言いたげですが、実際はふらふらと立ち寄ったのが事実です。