悲しいかな本当の事2016-04-06

 ≪Уже не думаете ли вы, что я вам всё наврал? ("А что, если он узнает, что у меня в отцовском шкафу всего только и есть один этот нумер "Колокола", а больше я из этого ничего не читал?" - мельком, но с содроганием подумал Коля.)
- Ох, нет, я не смеюсь и вовсе не думаю, что вы мне налгали. Вот то-то и есть, что этого не думаю, потому что всё это, увы сущая правда! Ну скажите, а Пушкина-то вы читали, "Онегина-то"... Вот вы сейчас говорили о Татьяне?≫

<試訳> 「僕がやたら嘘八百を並べ立たと思ってやしないでしょうね?」( “ 父の形見の書棚に “ 鐘 ” の一冊があるだけで、しかもこの詩以外には何も読んでないのを、アリョーシャがもし知ったらどうしよう?” とコーリャはちらと思って身震いした )
「とんでもないですよ、僕は笑ってはいませんし、君が嘘をついているとは全く思いません。そうです、そんなことは思いも寄りません。なぜなら、言われた事は全部、悲しいかな全く本当の事ですから! ところでプーシキンをお読みですか、“ オネーギン ” を・・・。ほら、今タチアーナについて話しましたよね?」

・ コーリャが知識をかき集めて文学について語り、アリョーシャが応じます。“ 鐘 ” は社会主義の父と言われるゲルツェンが、亡命先のロンドンで隔週刊行したもので、農奴制や専制との闘争を祖国に呼びかける警鐘でした。ドストエフスキー自身もロンドンの彼の家を訪問している同時代人ですから、少なからぬ共感があったと想像します。常に検閲を意識しながら限界を探っている作者の苦闘を感じます。

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