途方もない有罪説の生じる所以2018-12-08

 ≪Остаются стало быть на виду два человека; подсудимый и Смердяков. Но так как подсудимый уверяет, что убил не он, то стало быть должен был убить Смердяков, другого выхода нет, ибо никого другого нельзя найти, никакого другого убийцы не подберешь. Вот, вот стало быть откуда произошло это "хитрое" и колоссальное обвинение на несчастного, вчера покончившего с собой, идиота! Именно только по тому одному, что другого некого подобрать!≫

<試訳> したがって残るのは、被告とスメルジャコフの2人になります。しかし、被告は殺したのは自分ではないと断言しているのですから、そうなるとスメルジャコフが殺した事にならざるを得ず、それ以外に道はないわけです。なぜなら、他に誰も見出せないし、選び出せないのですから。これなのです、これこそが不幸にも昨日自ら命を絶った愚者に対する “ 狡猾 ” で途方もない有罪説の生じる所以です! 他に誰をもあげようがないという、その一点だけの故にです!

・ 検事はスメルジャコフの犯行とする説に明白な根拠がない事を力説します。スメルジャコフを “ идиот ” ( 愚者 ) とするのは検事の認識不足です。彼にはドミートリィやイワンを翻弄するほどの知恵があったし、綿密に計画して完全犯罪を成し遂げる知力を備えていました。

コメント

_ 慎之介 ― 2018-12-08 12:51

現在もある被疑者死亡により捜査終了なんていうことにならないのがこの事例なのですね。不幸なことにドミートリィーの様々な正に愚者と言われても仕方のない言動がありますから。罠に嵌ってしまいました。同情もしますが、スメルジャコフのことを考えると、、、、。人が人を裁くのは必要とは思いますが、人は悪を成す者との前提をしっかりと踏まえなければ裁けるものではないと思います。現在の世には蔓延りすぎていますから。裁く立場の人も所詮人。

_ mir→慎之介さん ― 2018-12-09 14:25

人間いついて多くの事を考えさせられます。生物学者のダイアモンド博士が確か、「進化の見方ではヒトは動物的な面を残しているが、“ 殺すなかれ ” を守ろうと決めたのです…」 と言い切っていたのが印象に残っています。人間の理性の力への信頼だと思います。そこに希望を見出したいものです。
裁判に関連して、「12人の怒れる男」 を思い出しました。評決を出すまでの陪審員の葛藤と苦渋が描かれていました。当初、大多数だった有罪意見が最後には無罪となるのですから、人を裁く事がいかに困難か、これは未だに変わらないでしょう。

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