小部屋から通りへ出て2020-04-06

 ≪Часть первая
I
В начале июля, в чрезвычайно жаркое время, под вечер, один молодой челогвек вышел из своей каморки, которую нанимал от жильцов в С-м переулке, на улицу и медленно, как бы в нерешимости, отправился к К-ну мосту. Он благополучно избегнул встречи с своею хояйкой на лестнице. Каморка его приходилась под самою кровлей высокого пятиэтажного дома и походила более на шкаф, чем на квартиру.≫

<試訳> 罪と罰   ドストエフスキー

第1部
 
   〔Ⅰ]

6月初めのひどく暑い時間、夕暮れ近く、ある青年がS小路で間借りしている自分の小部屋から通りへ出てきて、ためらうように、のろのろとK橋に向かっていた。彼はうまい具合に階段で女将に出会わずに済んだ。彼の小部屋は高い5階建ての家の屋根裏にあって、部屋と言うよりも物置に近かった。

・ ペテルブルク、とある裏通りに間借りしている青年が主人公です。再びドストエフスキーの懐かしい文体を訳します。重いテーマを含んだ長編「罪と罰」 ですが、引き続き伴走してもらえれば嬉しいです。
この作品は1866年から雑誌に連載されていて、トルストイの「戦争と平和」とほぼ同時期です。日本では江戸時代の終焉の頃なのですから驚きます。それは「カラマーゾフの兄弟」より10年以上前で、「白痴」「悪霊」「未成年」 と合わせて後期の5大作品と言われています。

コメント

_ 伯 ― 2020-04-06 10:22

ロシア革命よりずっと前のことですね。ドクトルジバゴを映画で見てロシアの都市の風景を思い浮かべてしまいますが、ちょっと無理がありますか?

_ mir→伯さん ― 2020-04-07 06:49

コメントありがとうございます。
確かに書かれたのは革命の50年ほど前です。でも帝政社会の底流には、すでにマグマのようにそこに至る状況があったのでしょう。描かれるのは主に当時の底辺の人々ですが、その意味でも興味深いところです。ジバゴは革命の動乱期ですから、都市も農村も急速に変化していたのではないかと思います。文学からもそれを読み取れるかも知れないと、気づかされました。

_ R ― 2020-04-07 07:02

再びドストエフスキーの大作に挑むのですね。
楽しみな日課が増えました。
長旅になりますが、マイペースで物語に誘ってください。

_ mir→Rさん ― 2020-04-07 07:05

ありがとう。引き続き読んでもらえると励みになります。
主人公と共にペテルブルクの街をさまよいたいと思っています。

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