もう一つ打ち明けることがある2010-07-13

去ろうとしたドミートリィが戻って付け加える

≪- Стой, Алексей, ещё одно признание, тебе одному! - вдруг воротился Дмитрий Фёдрович назад. - Смотри на меня, пристально смотри: видишь, вот тут, вот тут - готовится страшное бесчестие.≫

<試訳>「待てよ、アレクセイ、もう一つお前に打ち明けることがあるんだ、お前だけにな!」 突然ドミートリィ・フョードロビッチが引き返した。「僕を見ろ、しっかりと見るんだ。分かるかい、ほらここで、ここで怖ろしい破廉恥がなされようとしているんだよ」

彼は自分の胸を拳で叩きながら、これから卑劣な行為をしようとしていることをアリョーシャに打ち明けます。「ほらここで」と、ことさら胸を示しているのは心中の思いの意味だろうと最初は思いますが、実は、そこにいわくのある大金が・・・ということで伏線をなしています。ミステリーの要素がここでも読者の興味を惹き続けます。

コメント

_ 慎之介 ― 2010-07-13 14:07

やっぱり、彼が殺人を盗みを?周囲の人々を貶め、悩ませていくこの一家のありようには、やりきれない思いで、アリョーシャに救いを求めてしまいます。登場者も読者もアリョーシャに頼る小説なのですね。

_ mir→慎之介さん ― 2010-07-14 09:37

そうですね。父や兄、女性達を巡って次々に演じられる凄まじい修羅場に立ち会い、僧院から出てきたばかりのアリョーシャはどれほど傷ついたでしょう。胸のつぶれる思いではないかと思います。彼には具体的に解決する力はないのですが、確かに皆が彼心を開き救いを求めています。彼がいなければこの物語はピアニストのいないピアノ協奏曲となるでしょう。

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