罪と罰・試訳　一線を越えた人間の苦悩と愛が、時空を越えて今日もここに響く…

　≪Да он уж и согласен: разве может он свою тварь оставить? А в каторгу её не пустят, так как же ему не бежать? Он, главное, вас боится, боится, что вы не одобрите побега с нравственной стороны, но вы должны ему это великодушно позволить, если уж так необходима тут ваша сакнкция, - с ядом прибавила Катя.≫

＜試訳＞　そう、あの人はもう同意したも同然ですわ。いったいあの女を残して行けるものですか？ あの女は徒刑地に行かせてもらえないのですもの、脱走しないではいられないでしょう？ あの人は何よりあなたを恐れて、道徳的見地から脱走に反対するだろうと心配しています。でも、もしあなたの承認がそれほど不可欠なら、あなたは寛大に許すべきです。毒を含んだ口調でカーチャが言い足した。

・　ドミートリィはグルーシェンカと離れて徒刑地に行けるはずがないとカテリーナは考えていて、それで脱走に同意するだろうと確信しているのです。アリョーシャに賛同すべきだと強く指図します。先ほどの後悔の念はどこへやら、また持ち前の気性が現れてしまいます。