にぶい音が響いた2021-02-04

 ≪- Берегись! - кричит он и что есть силы огорошивает с размаху свою бедную лошаденку. Удар рухнул; кобыленка зашаталась, осела, хотела было дёрнуть, но лом снова со всего размаху ложится ей на спину, и она падает на землю, точно ей подсекли всё четыре ноги разом.
- Добивай! - кричит Миколка и вскакивает, словно себя не помня, с телеги. Несколько парней, тоже красных и пьяных, схватывают что попало - кнуты, палки, оглоблю, и бегут к издыхающей кобыленке.≫

<試訳> 「危ねえぞ!」 ミコールカが叫んで、振り上げた金梃子をありったけの力で哀れな馬に打ち下ろした。にぶい音が響いた。雌馬はぐらついて崩れ落ちた。それでも起き上がろうとしたが、またも思い切り振り上げた金梃子が背中に打ち下ろされ、まるで4本の足を一度になぎ払われたように地面に倒れた。
「息の根を止めろ!」 ミコールカは叫ぶと、夢中で馬車から飛び降りた。やはり酔って赤い顔をした数人の若者が、手当たり次第に鞭や、棒や、梶棒を手に取って死にかけている雌馬に駆け寄った。

・ 酔って理性を失った人々がこうまで荒んで、残酷な行為ができるものかと慄然とします。しかもこの馬はこれまで働き手として主人に尽くしてきたはずです。こんな仕打ちを受けて命を奪われるのは理不尽です。この抑制のきかない荒々しい感情が、やがて人間に向かわないとも限りません。
人間の増長、暴虐、熱狂の怖さへの作者の強い憤りが時を越えて伝わって来ます。

コメント

_ 伯 ― 2021-02-04 08:48

人間の地球から見ると短い歴史の中でmirさんの言う作者の強い憤りが鮮明に浮かびます。私はその真っ只中にいるのを感じます。

_ mir→伯さん ― 2021-02-05 07:07

そうですね。地球上の人類全員が生死にかかわる問題を突きつけられている状況は稀でしょう。人間が活動領域を広げて生物界に不法侵入していく過程で起こりがちなそうで、逆襲されているようです。歴史的に何度も繰り返されているとは言え、自分がこんな機会に遭遇するとは思いませんでした。一人残らずマスク姿で妙な気分です。
ここで作者は人間の残酷さや奢りや愚かさなど、否定的な面を容赦なく描いていて、確かに予言のような趣を感じます。それでもなお人間へのいとおしさ、最後の最後まで人間を信じる、そんな通奏低音が密かに鳴り響いているところが、こんな時代に魅力です。

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