刑場に曳かれていく者も2021-05-01

 ≪Тут ему вспомнились его собственные прогулки по Сенной, и он на минуту очнулся: "Что за вздор, - подумал он, - Нет, лучше совсем ничего не думать!" "Так, верно, те, которых ведут на казнь, прилепливаюся мыслями ко всем предметам, которые им встречаются на дороге", - мелькнуло у него в голове, но только мелькнуло как молния; он сам поскорей погасил эту мысль... Но вот уже и близко, вот и дом, вот и ворота.≫

<試訳> そこで彼のセンナヤ広場を歩き回った自分自身の姿を思い出して、一瞬我に返った。“ 何とつまらない事を ”と彼は思った。“ よせ、全く何も考えない方がいい!”、“ きっと、刑場に曳かれていく者も、このように、途中で出会うあらゆる物事への考えに執着するんだろうな ”、と頭にちらと浮かんだが、稲妻のようにひらめいただけだった。彼はあわててこの想念を打ち消した…。いよいよもう間近だ、ついに建物がある、あそこが門だ。

・ ラスコーリニコフが道々雑念にとらわれながらも、ついに問題の質屋のある建物に近づきます。
“ 刑場に曳かれていく者も… ” の表現は、「カラマーゾフの兄弟」の中でドミートリィが、そして「白痴」のの中でムイシュキン侯爵が語る場面にも見られます。作者がこのような強烈な体験をした事に基づいているのだと思います。

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