それこそが他ならぬ永遠なのだ2024-08-19

 ≪Да почему же непременно огромное? И вдруг, вместо всего этого, представьте себе, будет там одна комнатка, эдак вроде деревенской бани, закоптелая, а по всем углам пауки, и вот и вся вечность. Мне, знаете, в этом роде иногда мерещится.
- И неужели, неужели вам ничего не представляется утешительнее и справедливее этого! - с болезненным чувством вскрикнул Раскольников.≫

<試訳> 「いったいなぜ必ず巨大でなくてはならんのか? そして突然それらいっさいに代わって、田舎の風呂場のような煤けた一つの部屋があり、隅々に蜘蛛が巣を張っている。それこそが他ならぬ永遠なのだと想像してごらんなさい。私には、ねえ、時によるとそのような事が見えるのですよ」
「いったい全体、あなたには、そんな考え方よりもっと慰めになるような、もっと真実味のある考えが浮かばないんですか!」 病的な感情を含んでラスコーリニコフが叫んだ。

・ “ 薄汚い小部屋の蜘蛛の巣が永遠だ ” 、とするスビドリガイロフの永遠の概念は独特で奇妙なので、ラスコーリニコフには理解できず、取り上げようともしません。
もしかすると作者の牢獄の体験が反映しているのではないかと思い当たりました。獄舎のひどい状況を兄に伝えた手紙が残っていますが、長くそのような閉塞空間に閉じ込められると、そこが全宇宙で、永遠だと思うしかなくなるのかも知れません。スビドリガイロフの孤独と諦めが吐露されているように感じます。