昔のようになりましょう ― 2024-12-30
≪- Господи! - вскрикнула Пульхерия Александровна.
И мать, и сестра были в страшном испуге; Разумихин тоже.
- Родя, Родя! Помирись с нами, будем по-прежнему! - воскликнула бедная мать.
Он медленно повернулся к дверям и медленно пошёл из комнаты. Дуня догнала его.
- Брат! Что ты с матерью делаешь! - прошептала она со взглядом, горевшим от негодования.≫
<試訳> 「まあ、どうしましょう!」 プリヘーリヤが叫び出した。 母も妹も、恐ろしいほどの驚きに打たれていた。ラズミーヒンもそうだった。
「ロージャ、ロージャ! 仲直りしておくれ、昔のようになりましょう!」 哀れな母は叫んだ。
ラスコーリニコフは緩慢に戸口の方に向き直って、ゆっくりと部屋から出て行こうとした。
ドゥーニャが彼に追いすがった。
「お兄さん! お母さんになんて事をなさるの!」 憤慨して燃える目をした彼女は声を殺して言った。
・ ラズミーヒンの提案で展望が開け、これから三人揃って新たに出発する喜びに湧いたのも束の間、ラスコーリニコフの冷たい言葉が場を凍らせます。プリヘーリヤの驚きと心配はどれほどでしょう。
И мать, и сестра были в страшном испуге; Разумихин тоже.
- Родя, Родя! Помирись с нами, будем по-прежнему! - воскликнула бедная мать.
Он медленно повернулся к дверям и медленно пошёл из комнаты. Дуня догнала его.
- Брат! Что ты с матерью делаешь! - прошептала она со взглядом, горевшим от негодования.≫
<試訳> 「まあ、どうしましょう!」 プリヘーリヤが叫び出した。 母も妹も、恐ろしいほどの驚きに打たれていた。ラズミーヒンもそうだった。
「ロージャ、ロージャ! 仲直りしておくれ、昔のようになりましょう!」 哀れな母は叫んだ。
ラスコーリニコフは緩慢に戸口の方に向き直って、ゆっくりと部屋から出て行こうとした。
ドゥーニャが彼に追いすがった。
「お兄さん! お母さんになんて事をなさるの!」 憤慨して燃える目をした彼女は声を殺して言った。
・ ラズミーヒンの提案で展望が開け、これから三人揃って新たに出発する喜びに湧いたのも束の間、ラスコーリニコフの冷たい言葉が場を凍らせます。プリヘーリヤの驚きと心配はどれほどでしょう。
一人きりにして下さい ― 2024-12-29
≪Я вас помню и люблю... Оставьте меня! Оставьте меня одного! Я так решил, ещё прежде... Я это наверно решил... Что бы со мною ни было, погибну я или нет, я хочу быть один. Забудьте меня совсем... Это лучше... Не справляйтесь обо мне. Когда надо, я сам приду или... вас позову. Может быть, всё воскреснет!.. А теперь, когда любите меня, откажитесь... Иначе, я вас возненавижу, я чувствую... Прщайте!≫
<試訳> 「あなた方を忘れはしませんし、愛しています…。一人きりにして下さい! 僕はそう決めたんです、ずっと前から…。 これは固く決意しました…。僕の身に何がおころうと、破滅してしまう事があろうとも、僕は一人でいたい。僕の事はすっかり忘れて下さい…。その方がいいんだ…。僕の事を問い合わせないで下さい。必要な時は僕が自分から来るか、それとも… あなた方を呼びます。もしかすると、すっかり元通りになるかも知れない!… だから今は、僕を愛してくれるなら、縁を切って下さい…。でなければ、僕はあなた方を憎む事になる、そう感じるんです…。さようなら!」
・ ラスコーリニコフが語る一言一言は、母と妹の胸に突き刺さるでしょう。そのような言葉を発しなければならない彼自身の辛さも含め、この時の3人の心情を思うと言葉を失います。
<試訳> 「あなた方を忘れはしませんし、愛しています…。一人きりにして下さい! 僕はそう決めたんです、ずっと前から…。 これは固く決意しました…。僕の身に何がおころうと、破滅してしまう事があろうとも、僕は一人でいたい。僕の事はすっかり忘れて下さい…。その方がいいんだ…。僕の事を問い合わせないで下さい。必要な時は僕が自分から来るか、それとも… あなた方を呼びます。もしかすると、すっかり元通りになるかも知れない!… だから今は、僕を愛してくれるなら、縁を切って下さい…。でなければ、僕はあなた方を憎む事になる、そう感じるんです…。さようなら!」
・ ラスコーリニコフが語る一言一言は、母と妹の胸に突き刺さるでしょう。そのような言葉を発しなければならない彼自身の辛さも含め、この時の3人の心情を思うと言葉を失います。
しばらく別れていた方がいい ― 2024-12-28
≪- Так, мне очень надо, - ответил он смутно, как бы колеблясь в том, что хотел сказать. Но в бледном лице его была какая-то резкая решимость.
- Я хотел сказать... идя сюда... я хотел сказать вам, маменька... и тебе, Дуня, что нам лучше бы на некоторое время разойтись. Я себя нехорошо чувствую, я не спокоен... я после приду, сам приду, когда... можно будет.≫
<試訳> 「僕は用があってどうしても行かなければ」 彼は、どう言おうか戸惑っている調子で、曖昧に答えた。しかし、彼の蒼白い顔には何かただならない決意があった。
「僕は言おうと思っていたんです… ここに来る道すがら… 言おうと思っていたのは… お母さん、あなたと… それからドゥーニャ、お前にも…、僕達はしばらく別れてiいた方がいいという事です。僕は今気分がすぐれないし落着かないんです… 後でまた来ます、僕の方から来ますよ… いずれ来られるようになったら」
・ 久し振りに会った愛する母と妹となのに、離れるべきだと言うラスコーリニコフの悲愴な決意です。彼の犯した大きな事件が、このような形でも彼を苦しめ、罰します。
- Я хотел сказать... идя сюда... я хотел сказать вам, маменька... и тебе, Дуня, что нам лучше бы на некоторое время разойтись. Я себя нехорошо чувствую, я не спокоен... я после приду, сам приду, когда... можно будет.≫
<試訳> 「僕は用があってどうしても行かなければ」 彼は、どう言おうか戸惑っている調子で、曖昧に答えた。しかし、彼の蒼白い顔には何かただならない決意があった。
「僕は言おうと思っていたんです… ここに来る道すがら… 言おうと思っていたのは… お母さん、あなたと… それからドゥーニャ、お前にも…、僕達はしばらく別れてiいた方がいいという事です。僕は今気分がすぐれないし落着かないんです… 後でまた来ます、僕の方から来ますよ… いずれ来られるようになったら」
・ 久し振りに会った愛する母と妹となのに、離れるべきだと言うラスコーリニコフの悲愴な決意です。彼の犯した大きな事件が、このような形でも彼を苦しめ、罰します。
思わず口に出してしまった ― 2024-12-27
≪Он как будто улыбнулся, но как будто это была и не улыбка.
- А ведь кто знает, может, и последний раз видимся, - прибавил он нечаянно.
Он было подумал это про себя, но как-то само проговорилось вслух.
- Да что с тобой! - вскрикнула мать. - Куда идёшь ты, Родя? - как-то странно спросила Дуня.≫
<試訳> ラスコーリニコフは微笑を浮かべているかのようだったが、それは微笑などではなかった。
「もしかすると、顔を合わせるのはこれが最後かも知れないからな」 彼は思わず言い足した。
彼は心の中でふとそう考えようとしたのだが、思わず口に出してしまった。
「まあ、どうしたんだい、お前!」 母が叫んだ。
「どこに行くの、ロージャ?」 何か怪訝な調子でドゥーニャが尋ねた。
・ ラスコーリニコの呟きは現実味があります。それを聞いた母もドゥーニャもその意味を知る由もありません。彼の犯行を知った時の彼女たちの驚愕と衝撃が恐ろしいです。
- А ведь кто знает, может, и последний раз видимся, - прибавил он нечаянно.
Он было подумал это про себя, но как-то само проговорилось вслух.
- Да что с тобой! - вскрикнула мать. - Куда идёшь ты, Родя? - как-то странно спросила Дуня.≫
<試訳> ラスコーリニコフは微笑を浮かべているかのようだったが、それは微笑などではなかった。
「もしかすると、顔を合わせるのはこれが最後かも知れないからな」 彼は思わず言い足した。
彼は心の中でふとそう考えようとしたのだが、思わず口に出してしまった。
「まあ、どうしたんだい、お前!」 母が叫んだ。
「どこに行くの、ロージャ?」 何か怪訝な調子でドゥーニャが尋ねた。
・ ラスコーリニコの呟きは現実味があります。それを聞いた母もドゥーニャもその意味を知る由もありません。彼の犯行を知った時の彼女たちの驚愕と衝撃が恐ろしいです。
僕を葬るか永遠の別れを告げているよう ― 2024-12-26
≪- Как, Родя, ты уж уходишь? - даже с испугом спросила Пульхерия Александровна.
- В такую-то минуту! - крикнул Разумихин.
Дуня смотрела на брата с недоверчивым удивлением. В руках его была фуражка; он готовился выйти.
- Чтой-то вы точно погребаете меня али навеки прощаетесь, - как-то странно проговорил он.≫
<試訳> 「まあ、ロージャ、もう帰るの?」 驚いたようにプリヘーリヤが尋ねた。
「こんないい機会だというのに!」 ラズミーヒンが叫んだ。
ドゥーニャは訝しそうな驚きの目で兄を見つめた。彼の手が帽子を握っていた。もう出て行こうとしていたのだ。
「何だい、まるで君らは僕を葬るか、永遠の別れを告げているようだな」 ― 何か奇妙な調子でラスコーリニコフが言った。
・ 皆がラズミーヒンの事業や住まいの提案などに、明るい展望を感じて高揚している矢先に、ラスコーリニコフは不意に退室しようとします。一件落着を見定めて役割を終え、次にやるべき事に移るようです。
- В такую-то минуту! - крикнул Разумихин.
Дуня смотрела на брата с недоверчивым удивлением. В руках его была фуражка; он готовился выйти.
- Чтой-то вы точно погребаете меня али навеки прощаетесь, - как-то странно проговорил он.≫
<試訳> 「まあ、ロージャ、もう帰るの?」 驚いたようにプリヘーリヤが尋ねた。
「こんないい機会だというのに!」 ラズミーヒンが叫んだ。
ドゥーニャは訝しそうな驚きの目で兄を見つめた。彼の手が帽子を握っていた。もう出て行こうとしていたのだ。
「何だい、まるで君らは僕を葬るか、永遠の別れを告げているようだな」 ― 何か奇妙な調子でラスコーリニコフが言った。
・ 皆がラズミーヒンの事業や住まいの提案などに、明るい展望を感じて高揚している矢先に、ラスコーリニコフは不意に退室しようとします。一件落着を見定めて役割を終え、次にやるべき事に移るようです。
3人一緒に暮らせる事です ― 2024-12-25
≪- Ура! - закричал Разумихин, - теперь стойте, здесь есть одна квартира, в этом же доме, от тех же хозяев. Она особая, отдельная, с этими нумерами не сообщается, и меблированная, цена умеренная, три горенки. Вот на первый раз и займите. Часы я вам завтра заложу и принесу деньги, а там всё уладится. А главное, можете все трое вместе жить, и Родя с вами... Да куда ж ты, Родя?≫
<試訳> 「万歳!」 ラズミーヒンが叫んだ。「ちょっと待って下さいね、ここに同じ家主が持っていてる貸家が一軒あるんです。独立していて、こっちの部屋とは繋がっていないし、それに家具付きで家賃も手ごろ、3部屋ですよ。まずはそこを借りましょう。時計を僕が明日質入れして金を持ってきますから、それで全てうまくいきます。肝心なのは、3人一緒に暮らせる事です、ロージャもあなた方と一緒に…。おい、どこへ行くんだい、ロージャ?」
・ ラスコーリニコフが事業に最後に賛同したので、ラズミーヒンが歓喜の声を上げます。さらに間を置かず、3人のための住まいの用意に張り切って取り掛かります。実に手際よく、心強い存在です。ところがラスコーリニコフは不意に出て行こうとします。
<試訳> 「万歳!」 ラズミーヒンが叫んだ。「ちょっと待って下さいね、ここに同じ家主が持っていてる貸家が一軒あるんです。独立していて、こっちの部屋とは繋がっていないし、それに家具付きで家賃も手ごろ、3部屋ですよ。まずはそこを借りましょう。時計を僕が明日質入れして金を持ってきますから、それで全てうまくいきます。肝心なのは、3人一緒に暮らせる事です、ロージャもあなた方と一緒に…。おい、どこへ行くんだい、ロージャ?」
・ ラスコーリニコフが事業に最後に賛同したので、ラズミーヒンが歓喜の声を上げます。さらに間を置かず、3人のための住まいの用意に張り切って取り掛かります。実に手際よく、心強い存在です。ところがラスコーリニコフは不意に出て行こうとします。
相談する時間がまだまだあるだろう ― 2024-12-24
≪- Я лумаю, что у него очень хорошая мысль, - ответил он. - О фирме, разумеется, мечтать заранее не надо, но пять-шесть книг действительно можно издать с несомненным успехом. я и сам знаю одно сочнение, которое непременно пойдёт. А что касается до того, что он сумеет повести дело, так в этом нет и сомнения: дело смыслит... Впрочем, будет ещё время вам сговориться...≫
<試訳> 「彼の考えはとてもいいと思う」 ラスコーリニコフは答えた。「会社については、もちろん、今から考える必要はないだろうけど、5~6冊は、実際に成功間違いなく発行できるし、僕自身も確実に当たる作品を一点知っているよ。彼が事業をうまく運べる才能がある事は疑いもないさ。仕事を理解しているし…。もっとも君らには相談する時間がまだまだあるだろう…」
・ これでラズミーヒンの出版事業に皆が賛同した事になります。ラスコーリニコフが意外に積極的に肯定する意見を述べます。彼の状況を考えて、無関心か投げやりな態度になるのかと予想していました。「君らには相談する時間が…」 の言外に、自分には一緒にこの事業に参加する時間はないのだ、という心情を感じます。
<試訳> 「彼の考えはとてもいいと思う」 ラスコーリニコフは答えた。「会社については、もちろん、今から考える必要はないだろうけど、5~6冊は、実際に成功間違いなく発行できるし、僕自身も確実に当たる作品を一点知っているよ。彼が事業をうまく運べる才能がある事は疑いもないさ。仕事を理解しているし…。もっとも君らには相談する時間がまだまだあるだろう…」
・ これでラズミーヒンの出版事業に皆が賛同した事になります。ラスコーリニコフが意外に積極的に肯定する意見を述べます。彼の状況を考えて、無関心か投げやりな態度になるのかと予想していました。「君らには相談する時間が…」 の言外に、自分には一緒にこの事業に参加する時間はないのだ、という心情を感じます。
良さそうなお話なのでしょうね ― 2024-12-23
≪- Я тут, конечно, ничего не знаю, - отозвалась Пульхения Александровна, - может, оно и хорошо, да опять ведь и бог знает. Ново как-то, неизвестно. Конечно, нам остаться здесь необходимо, хоть не некоторое время...
Она посмотрела на Родю.
- Как ты думаешь, брат? - сказала Дуня.≫
<試訳> 「私は、もちろん、そんな事はさっぱり分りませんが」 プリヘーリヤが意見を述べた。「良さそうなお話なのでしょうね、先の事は誰にも分らないですが。何か新しい、これまでにない事のようですから。もちろん、私達はここに留まらなければなりませんし、当分の間だけでも…」
彼女はロージャを見やった。
「どうお思いになって、お兄さん?」 ドゥーニャが言った。
・ ラズミーヒンの出版事業について、プリヘーリヤは多少の不安を抱いている様子です。年配の彼女にとっては、大金を新しい事業に使う事への危惧があるのでしょう。それでも、暮らしの事も考えて若者の熱意に期待します。残るはラスコーリニコフの考えです。
Она посмотрела на Родю.
- Как ты думаешь, брат? - сказала Дуня.≫
<試訳> 「私は、もちろん、そんな事はさっぱり分りませんが」 プリヘーリヤが意見を述べた。「良さそうなお話なのでしょうね、先の事は誰にも分らないですが。何か新しい、これまでにない事のようですから。もちろん、私達はここに留まらなければなりませんし、当分の間だけでも…」
彼女はロージャを見やった。
「どうお思いになって、お兄さん?」 ドゥーニャが言った。
・ ラズミーヒンの出版事業について、プリヘーリヤは多少の不安を抱いている様子です。年配の彼女にとっては、大金を新しい事業に使う事への危惧があるのでしょう。それでも、暮らしの事も考えて若者の熱意に期待します。残るはラスコーリニコフの考えです。
面倒な仕事は全部僕に任せて下さい ― 2024-12-22
≪И что вы думаете, сообщи я кому, пожалуй, ещё усумнится, такое дубьё! А уж насчёт собственно хлопот по делам, типографий, бумаги, продажи, это вы мне поручите! Всё закоулки знаю! Помаленькук начнём, до большого дойдём, по крайней мере прокормиться чем будет, и уже во всяком случае своё вернём.
У Дуни глаза блестели.
- То, что вы говорите, мне очень нравится, Дмитрий Прокофьич, - сказала она.≫
<試訳> 「あなた方はどうお考えです? 僕が誰かにそんな話をしたら、とんでもない馬鹿者め! と、まだ、疑われるかも知れませんね。でも、 印刷、用紙、販売、などのこまごました面倒な仕事は全部僕に任せて下さい!隅々まで何もかも知ってます! 最初はこじんまりと始めて、やがて大きくするんです。少なくとも食べる分にはなるし、まかり間違えても元手は戻ってきますよ」 ドゥーニャが目を輝かせた。
「あなたがおっしゃる事は、とても気に入りましたわ、ラズミーヒンさん」 彼女が言った。
・ ラズミーヒンは実務は全部自分がやるという意気込みで出版事業への並々ならない情熱を語ります。ドゥーニャにとっては、マルファの遺贈分があるにしても、今後の暮らしのための収入の道を提案されて、興味を惹かれたようです。
У Дуни глаза блестели.
- То, что вы говорите, мне очень нравится, Дмитрий Прокофьич, - сказала она.≫
<試訳> 「あなた方はどうお考えです? 僕が誰かにそんな話をしたら、とんでもない馬鹿者め! と、まだ、疑われるかも知れませんね。でも、 印刷、用紙、販売、などのこまごました面倒な仕事は全部僕に任せて下さい!隅々まで何もかも知ってます! 最初はこじんまりと始めて、やがて大きくするんです。少なくとも食べる分にはなるし、まかり間違えても元手は戻ってきますよ」 ドゥーニャが目を輝かせた。
「あなたがおっしゃる事は、とても気に入りましたわ、ラズミーヒンさん」 彼女が言った。
・ ラズミーヒンは実務は全部自分がやるという意気込みで出版事業への並々ならない情熱を語ります。ドゥーニャにとっては、マルファの遺贈分があるにしても、今後の暮らしのための収入の道を提案されて、興味を惹かれたようです。
素人だって慣れればできます ― 2024-12-21
≪Будем и переводить, и издавать, и учиться, всё вместе. Теперь я могу быть полезен, потому что опыт имею. Вот уже два года скоро по издателям шныряю и всю их подноготную знаю: не святые горшки лепят, поверьте! И зачем, зачем мимо рта кусок проносиьть! Да я сам знаю, и в тайне храню, сочинения два-три таких, что за одну только мысль перевесть и издать их можно рублей по сту взять за каждую книгу, а за одну из них я пятисот рублей за мысль не взьму.≫
<試訳> 「翻訳と、出版と、勉強を皆で一緒にやりましょうよ。差し当たっては僕が役に立ちますよ、経験がありますからね。もうかれこれ2年、あちこちの出版社に出入りして、その裏の裏まで知ってます。素人だって慣れればできます、本当です! だのになぜ、なぜみすみす儲け口をふいにする事があるんです! 実は、翻訳と出版の案を出すだけで一冊100ルーブルずつもらえるという素晴らしい著作を2、3冊知っていて、密かに温めているんです。そのうちの1冊なんか、案だけで500ルーブル出すと言われても教えられません」
・ 事業を始めようとするラズミーヒンの熱意は相当なものです。ドゥーニャやラスコーリニコフの考えを聞く暇もなく、具体的な内容について熱弁を振るい続けます。
<試訳> 「翻訳と、出版と、勉強を皆で一緒にやりましょうよ。差し当たっては僕が役に立ちますよ、経験がありますからね。もうかれこれ2年、あちこちの出版社に出入りして、その裏の裏まで知ってます。素人だって慣れればできます、本当です! だのになぜ、なぜみすみす儲け口をふいにする事があるんです! 実は、翻訳と出版の案を出すだけで一冊100ルーブルずつもらえるという素晴らしい著作を2、3冊知っていて、密かに温めているんです。そのうちの1冊なんか、案だけで500ルーブル出すと言われても教えられません」
・ 事業を始めようとするラズミーヒンの熱意は相当なものです。ドゥーニャやラスコーリニコフの考えを聞く暇もなく、具体的な内容について熱弁を振るい続けます。
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