何者かが息を殺して2021-05-08

 ≪Он отчасти знал её привычки... и ещё раз плотно приложил ухо к двери. Чувства ли его были так изощрёны (что вообще трудно предположить), или действительно было очень слышно, но вдруг он различил как бы осторожный шорох рукой у замочной ручки и как бы шелест платья о самую дверь. Как-то неприметно стоял у самого замка и точно так же, как он здесь, снаружи, прислушивался, притаясь изнутри и, кажется, тоже приложа ухо к двери...≫

<試訳> 彼はいくらか老婆の癖を知っていた… それでもう一度耳をぴたりと戸に押しあてた。彼の感覚がかなり鋭敏になっていたのか ( それはあまり考えにくい事だ )、それとも、実際によく聞こえるものなのか、ふいに彼は、注意深く手で把手をさわるような音と衣服が、その戸にこすれるような音を聞き分けた。何者かが息を殺してその把手の所に立ち、外側で彼がしているのと同じように、内側から耳を澄まして、やはり戸に耳を当てているらしい…。

・ 戸を隔ててラスコーリニコフと老婆が互いに様子を窺っています。犯行を狙っている彼と警戒心の強い老婆の神経戦が始まっているのです。息詰まる場面が映像となって浮かびあがり、勝手にBGMも考えてしまいます。

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