亡霊の存在を信じるか2024-08-14

 ≪Это-то я и без вас понимаю, что нездоров, хотя, право, не знаю чем; по-моему, я, наверно, здоровее вас впятеро. Я вас не про то спросил, - верите вы или нет, что привидения являются? Я вас спросил: верите ли вы, что есть привидения?
- Нет, ни за что не поверю! - с какою-то даже злобой вскричал Раскольников.
- Ведь обыкновенно как говорят? - бормотал Свидригайлов, как бы про себя, смотря в сторону и наклонив несколько голову.≫

<試訳> 「健康じゃないって事は、あなたに言われなくても分かっていますよ、もっともそれが何なのかは分かりませんがね。私の思うところでは、多分私の方があなたより5倍は健康ですよ。あなたに質問したのは、亡霊が現れたのを信じるかどうかではなく、亡霊の存在を信じるか、という事なんですがね」
「いいえ、とんでもない、信じるものですか!」 ラスコーリニコフは敵意を含んだような口調で叫んだ。
「ところが、世間ではどう言われてるでしょうかねえ?」 スビドリガイロフは横を向き、やや頭をかしげて独り言のように呟いた。

・ 話がスビドリガイロフのペースで進行し、ラスコーリニコフが知らずのうちに巻き込まれています。スビドリガイロフの話術が上回っているように感じます。互いに健康ではないのを自覚している者どおしの議論で、“ あなたより5倍は健康 ” とやり返したのは愉快な表現で勝負ありです。急に亡霊の存在を問われ激しく否定したラスコーリニコフは、論破できるでしょうか。