地獄の苦悩を抱えて2011-07-03

 ≪- А клейкие листочки, а дорогие могилы, а голубое небо, а любимая женщина! Как же жить-то будешь, чем ты любить-то их будешь? - горестно восклицал Алёша. - С таким адом в груди и в голове разве это возможно? Нет, именно ты едешь, чтобы к ним примкнуть... а если нет, то убьёшь себя сам, а не выдержишь!≫

<試訳> 「でも、粘っこい若葉は、大切な墓は、蒼い空は、愛する女性はどうしたんです!どうやって生きて行くんです、何をもって兄さんはこれらを愛していけると言うんです」アリョーシャが悲しげに叫んだ。「胸と頭にそのような地獄の苦悩を抱えて、そうできるでしょうか。いや、兄さんはあの人達に加わろうと向かうにきまってる・・・ そうでないなら自殺するでしょう、持ちこたえられずに、兄さんは!」

・ イワンは現実世界の不条理に憤るがゆえに神に背を向けながら、それに代わる生き方も肯定できません。アリョーシャがそのような兄の苦悩を思い悲痛な声をあげます。“あの人達”というのは、キリストの教えに反するとされる宗派を指しています。

コメント

_ 慎之介 ― 2011-07-03 10:03

この兄弟の苦悩は、あの時代贅沢な苦悩だったのでは?現代にも通じる苦悩とは思いますが。

_ mir→慎之介さん ― 2011-07-03 13:57

民主主義という概念もなく自由が制限されていた19世紀の帝政ロシアの時代、社会の矛盾はかなりひどかったと思います。イワンは宗教が現実の力にならない事に苦悶しています。西欧から新しい社会思想が入って来つつあり、政治的な事件で作者自身も投獄され銃殺されかけました。そのような背景が個人のレベルで神の存在や、自分の生き方を深く考えさせたのではないでしょうか。貧しさで日々の労働に追われる底辺の人々にはそれすらできないのですが、作者は「貧しき人々」「虐げられし人々」などの作品でそのような人々に目を向けています。

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