時にはとても悲劇的なもの2015-12-27

 ≪- Ещё скажите, Карамазов: что такое этот отец? Я его знаю, но что он такое по вашему определению: шут, паяц?
- Ах нет, есть люди глубоко чувствующие, но как-то придавленные. Шутовство у них в роде злобной иронии на тех, которым в глаза они не смеют сказать правды от долговременной унизительной робости пред ними. Поверьте, Красоткин, что такое шутвство чрезвыцайно иногда трагично. У него всё теперь, всё на земле совокупилось в Илюше, и умри Илюша, он или с ума сойдёт с горя, или лишит себя жизни. Я почти удеждён в этом, когда теперь на него смотрю!≫

<試訳> 「もっと教えて下さい、カラマーゾフさん、あの子のお父さんはどんな人ですか? 僕はあの人を知ってはいるんですが、あなたのご判断ではどうです、道化ですか、ピエロですか?」
「いえ、違いますよ。深い感性がありながら、何か抑圧されているという人がいるものです。その人たちの道化の振舞いは、長いこと蔑まれて臆病になって、面と向かって本当の事を言えない相手への敵意の皮肉のようなものです。本当ですよ、クラソートキン君、このような道化の振舞いは、時にはとても悲劇的なものです。今やあの人には全てが、この世の全てがイリューシャの中に凝集していますから、もしイリューシャが死んだなら悲しみで気がふれるか自分の命を奪うでしょう。あの人を今見ていると、ほとんどそう確信するんですよ!」

・ イリューシャの父親の人物像をアリョーシャが語ります。“ 道化 ” という言葉はフョードルに対しても使われていましたが、ここでは悲劇的なところに力点があるように思います。ドミートリィが髭を掴んで引きずり回した際に、離してくれと足に取りすがった息子のイリューシャが今重篤な状態なのです。なす術もなく取り乱す哀しい父親の姿です。

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