悲嘆に暮れるに決まっているんだぞ2024-02-18

 ≪Я тебе уже говорил сейчас, что эти сребряные часы, которым грош цена, единственная вещь, что после отца осталась. Надо мной смейся, но ко мне мать приехала, - повернулся он вдруг к Порфирию, - и если б она узнала, - отвернулся он опять поскорей к Разумихину, стараясь особенно, чтобы задрожал голос, - что эти часы пропали, то, клянусь, она была бы в отчаянии! Женщины!≫

<試訳> 「君にさっき言った通り、二束三文のあの銀時計はね、父が遺してくれたたった一つの形見なんだ。笑うがいいさ、けれど、僕の所に母がやって来たものですから」 不意に彼はポルフィ―リイに向き変った。「もし母が知ったら」、と声を震わすよう苦心しながら、また彼は素早くラズミーヒンに顔を向けた。「あの時計がなくなったのを知ったなら、誓って、母は悲嘆に暮れるに決まっているんだぞ! なにしろ女性だもの!」

・ 質入れした時計にこだわる理由を熱心に訴えるラスコーリニコフです。けれども母親の心情を持ち出して訴えるところに、芝居じみた感じがします。声高な饒舌が、かえって真実味を薄める事に気づいていないように思います。

コメント

_ 潤 ― 2024-02-18 16:28

ラスコーリニコフやりすぎですよね。もし気づいたら恥ずかしくなるのでは?淡々と述べるにしておけばよかったのにと思います。相手は大人ですから、そんなこと気にもしないふりしてどのような展開にするでしょう。ラスコーリニコフがかわいそうになります。

_ mir→潤さん ― 2024-02-19 07:09

ラスコーリニコフは、最初のうちは取り繕えると過信していたようですが、相手の一見とぼけたような対応にはぐらかされて筋書き通りにいきません。事実を偽ったり隠蔽しようとしても、いずれどこかで破綻するかも知れません。犯行を告白して刑に服するまで、彼の苦悩は続くでしょう。

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