どのような言い回しでお伝えになられたのか ― 2024-11-01
≪Ваш сын умышелнно преувеличил значение слов до нелепого, обвинив меня в злостных намерениях и, по моему взгляду, основываясь на вашей собственной корреспонденции. Почту себя счастливым, если вам, Плиьхерия Александровна, возможно будет разубедить меня в противном отношении и тем значительно успокоить. Сообщите же мне, в каких именно терминах передали вы слова мои в вашем письме к Родиону Романович?≫
<試訳> 「あなたの息子さんは悪意に満ちた意図をもって私を侮辱して、言葉の意味を非常識なほど故意に誇張して話しました。それはあなたご自身の手紙に基づいていると私は見ております。つきましては、プリヘーリヤ・アレクサンドロブナ、もしあなたがこの誤解を解いて下さって、私を安心させていただければはなはだ幸いです。つまり、ロジオン・ロマーノビッチへのあなたの手紙で、私の言葉をどのような言い回しでお伝えになられたのかを、お知らせ下さいませんか?」
・ ルージンに、 “ 貧しい娘を娶る方が有利だ ” と言われた事実をプリヘーリヤが手紙で伝えたのは確かですが、控えめな書き方で決してルージンを非難する表現ではなかったように記憶しています。ドゥーニャの結婚を母として喜ぶ文脈の中ででした。ルージンはどのように書いたかを、執拗に問いただします。書き方よりも、侮辱的な考え方そのものが問題です。
<試訳> 「あなたの息子さんは悪意に満ちた意図をもって私を侮辱して、言葉の意味を非常識なほど故意に誇張して話しました。それはあなたご自身の手紙に基づいていると私は見ております。つきましては、プリヘーリヤ・アレクサンドロブナ、もしあなたがこの誤解を解いて下さって、私を安心させていただければはなはだ幸いです。つまり、ロジオン・ロマーノビッチへのあなたの手紙で、私の言葉をどのような言い回しでお伝えになられたのかを、お知らせ下さいませんか?」
・ ルージンに、 “ 貧しい娘を娶る方が有利だ ” と言われた事実をプリヘーリヤが手紙で伝えたのは確かですが、控えめな書き方で決してルージンを非難する表現ではなかったように記憶しています。ドゥーニャの結婚を母として喜ぶ文脈の中ででした。ルージンはどのように書いたかを、執拗に問いただします。書き方よりも、侮辱的な考え方そのものが問題です。
現に私達が今ここに来ている ― 2024-11-02
≪- Я не помню, - сбилась Пульхерия Александровна, - а передала, как сама поняла. Не знаю, как передал вам Родя... Может, он что-нибудь и преувеличил.
- Без вашего внушения он преувеличить не мог.
- Пётр Петрович, - с достоинством произнесла Пульхерия Александровна, - доказательство тому, что мы с Дуней не приняли ваших слов в очень дурную сторону, это то, что мы здесь.≫
<試訳> 「覚えていませんが」 プリヘーリヤはうろたえた。「でも自分で理解した通りに伝えましたわ。ロージャがあなたにどう伝えたかは分かりませんが…。もしかすると何か誇張して言ったのかも知れませんね」
「あなたが吹き込まなければ、彼が誇張する事もできませんよ」
「ルージンさん」 きっとしてプリヘーリヤが言った。「私とドゥーニャがあなたのお言葉をひどく悪くはとらなかった証拠に、現に私達が今ここに来ているではありませんか」
・ ルージンはラスコーリニコフへの手紙にどう書いたのかと、プリヘーリヤを詰問します。最初はうろたえていた彼女ですが、気をとりなおして言葉を返します。
- Без вашего внушения он преувеличить не мог.
- Пётр Петрович, - с достоинством произнесла Пульхерия Александровна, - доказательство тому, что мы с Дуней не приняли ваших слов в очень дурную сторону, это то, что мы здесь.≫
<試訳> 「覚えていませんが」 プリヘーリヤはうろたえた。「でも自分で理解した通りに伝えましたわ。ロージャがあなたにどう伝えたかは分かりませんが…。もしかすると何か誇張して言ったのかも知れませんね」
「あなたが吹き込まなければ、彼が誇張する事もできませんよ」
「ルージンさん」 きっとしてプリヘーリヤが言った。「私とドゥーニャがあなたのお言葉をひどく悪くはとらなかった証拠に、現に私達が今ここに来ているではありませんか」
・ ルージンはラスコーリニコフへの手紙にどう書いたのかと、プリヘーリヤを詰問します。最初はうろたえていた彼女ですが、気をとりなおして言葉を返します。
嘘をお書きですわよ ― 2024-11-03
≪- Хорошо, маменька! - одобрительно сказала Дуня.
- Стало быть, я и тут виноват! - обиделся Лужен.
- Вот, Пётр Петрович, вы всё Родиона вините, а вы и сами об нём давеча неправду написали в письме, - прибавила, ободрившись, Пульхерия Александровна.
- Я не помню, чтобы написал какую-нибудь неправду-с.≫
<試訳>「そうだわよ、お母さん!」 ドゥーニャが励まして言った。
「そうしますと、その点でも私が悪いのですな!」 ルージンはむっとした。
「それにほら、ルージンさん、あなたは何もかもロジオンをお責めになりますが、ご自身も、あの子について先ほど手紙で嘘をお書きですわよ」 元気づいてプリヘーリヤが言い足した。
「何か嘘を書いたなどという覚えはありませんがね」
・ ルージンの非難が続いていましたが、プリヘーリヤが反論に転じます。息子と娘を守ろうとする母親の心情です。
- Стало быть, я и тут виноват! - обиделся Лужен.
- Вот, Пётр Петрович, вы всё Родиона вините, а вы и сами об нём давеча неправду написали в письме, - прибавила, ободрившись, Пульхерия Александровна.
- Я не помню, чтобы написал какую-нибудь неправду-с.≫
<試訳>「そうだわよ、お母さん!」 ドゥーニャが励まして言った。
「そうしますと、その点でも私が悪いのですな!」 ルージンはむっとした。
「それにほら、ルージンさん、あなたは何もかもロジオンをお責めになりますが、ご自身も、あの子について先ほど手紙で嘘をお書きですわよ」 元気づいてプリヘーリヤが言い足した。
「何か嘘を書いたなどという覚えはありませんがね」
・ ルージンの非難が続いていましたが、プリヘーリヤが反論に転じます。息子と娘を守ろうとする母親の心情です。
根も葉もない事で卑劣な中傷 ― 2024-11-04
≪- Вы написали, - резко проговорил Раскольников, не оборачиваясь к Лужину, - что я вчера отдал деньги не вдове раздавленного, как это действительно было, а его дочери (которой до вчерашнего дня никогда не видал). Вы написали это, чтобы поссорить меня с родными, и для того прибавили, в гнусных выражениях, о поведении девушки, которой вы не знаете. Всё это сплетня и низость.≫
<試訳> 「あなたはこう書いていますよ」 ルージンの方を向こうともせずに、辛辣にラスコーリニコフが言い始めた。「昨日僕が実際に金をやったのは轢死した男の未亡人にでしたが、そうではなく彼の娘にやったと。その娘に会ったのは昨日が初めてなんですよ。あなたがこれを書いたのは、私と家族を仲違いさせるためなんだ。そのために、愚劣な表現で知りもしないその娘の行状について書き添えた。これは全部根も葉もない事で卑劣な中傷ですよ」
・ ラスコーリニコフがルージンに語り始めます。満を持してという感じです。ルージンは、事実を曲げて別に意味を持たせ、母や妹との関係を悪化させようと企てたのです。彼に限らず虚偽への嫌悪の感情の厳しさがあります。
<試訳> 「あなたはこう書いていますよ」 ルージンの方を向こうともせずに、辛辣にラスコーリニコフが言い始めた。「昨日僕が実際に金をやったのは轢死した男の未亡人にでしたが、そうではなく彼の娘にやったと。その娘に会ったのは昨日が初めてなんですよ。あなたがこれを書いたのは、私と家族を仲違いさせるためなんだ。そのために、愚劣な表現で知りもしないその娘の行状について書き添えた。これは全部根も葉もない事で卑劣な中傷ですよ」
・ ラスコーリニコフがルージンに語り始めます。満を持してという感じです。ルージンは、事実を曲げて別に意味を持たせ、母や妹との関係を悪化させようと企てたのです。彼に限らず虚偽への嫌悪の感情の厳しさがあります。
たとえ一行でも間違った箇所を ― 2024-11-05
≪- Извините, сударь, - дрожа со злости, ответил Лужин, - в письме моём я распространился о ваших качествах и поступках единственно в исполнение тем самым просьбы вашей сестрицы и мамаши описать им, как я вас нашёл и каков вы на меня произвели впечатление? Что же касается до означенного с письме моём, то найдите хоть строчку несправедливую, то есть что вы не истратили денег и что в семействе том, хотя бы и несчастном, не находилось недостойных лиц? ≫
<試訳> 「失礼ながら、貴君」 憎しみに震えながらルージンが応じた。「手紙の中で私があなたの性格や行動についてあれこれと書いたのは、ただ単にそれによってあなたの妹さんやお母様の依頼に応えたに過ぎませんよ。つまりあなたにお会いしたときの様子がどうだったか、どのような印象をうけたか知らせてほしいとの事でしたから。ご指摘の私の手紙に関して、たとえ一行でも間違った箇所をどうぞ探し出して下さい。つまり、あなたが金を浪費しなかったとか、あの家族が確かに不幸ではあるけれども、汚れた人間はいなかった、とかですよ」
・ ルージンが、逆にラスコーリニコフに質問します。指摘された事については触れずに、論点をずらしています。事情も知らずにソーニャをその職業故に “ 汚れた人間 ” と暗に卑下しています。
<試訳> 「失礼ながら、貴君」 憎しみに震えながらルージンが応じた。「手紙の中で私があなたの性格や行動についてあれこれと書いたのは、ただ単にそれによってあなたの妹さんやお母様の依頼に応えたに過ぎませんよ。つまりあなたにお会いしたときの様子がどうだったか、どのような印象をうけたか知らせてほしいとの事でしたから。ご指摘の私の手紙に関して、たとえ一行でも間違った箇所をどうぞ探し出して下さい。つまり、あなたが金を浪費しなかったとか、あの家族が確かに不幸ではあるけれども、汚れた人間はいなかった、とかですよ」
・ ルージンが、逆にラスコーリニコフに質問します。指摘された事については触れずに、論点をずらしています。事情も知らずにソーニャをその職業故に “ 汚れた人間 ” と暗に卑下しています。
指の先ほどにも値しません ― 2024-11-06
≪- А по-моему, так вы, со всеми вашими достоинствами, не стоите мизинца этой несчастной девушки, в которую вы камень бросаете.
- Стало быть, вы решились бы и ввести её в общество вашей матери и сестры?
- Я это уж и сделал, если вам хочется знать. Я посажид её сегодня рядом с маменькой и с Дуней≫
<試訳> 「僕の考えでは、あなたなど、ありったけの長所を集めても、あなたが石を投げつける、あの不幸な娘の小指の先ほどにも値しません」
「という事は、あなたはあの娘を、あなたのお母様と妹さんのお仲間に加える覚悟がおありですかな?」
「僕はもうそうしましたよ、なんならお教えしますが。僕は今日、あの娘さんを母と妹と一緒に座らせました」
・ ラスコーリニコフがためらいもなくソーニャを遇した事実を述べて、貶めようとしたルージンの企てははずれます。当時は娼婦と席を同じくする事が憚られたのでしょう。ルージンのような感じ方が普通だった事を思わせます。
“ 石を投げつける ” の表現に、聖書の中の “ あなたがたのうち罪を犯したことのない者がこの女に、まず石を投げなさい ” を連想します。
<試訳> 「僕の考えでは、あなたなど、ありったけの長所を集めても、あなたが石を投げつける、あの不幸な娘の小指の先ほどにも値しません」
「という事は、あなたはあの娘を、あなたのお母様と妹さんのお仲間に加える覚悟がおありですかな?」
「僕はもうそうしましたよ、なんならお教えしますが。僕は今日、あの娘さんを母と妹と一緒に座らせました」
・ ラスコーリニコフがためらいもなくソーニャを遇した事実を述べて、貶めようとしたルージンの企てははずれます。当時は娼婦と席を同じくする事が憚られたのでしょう。ルージンのような感じ方が普通だった事を思わせます。
“ 石を投げつける ” の表現に、聖書の中の “ あなたがたのうち罪を犯したことのない者がこの女に、まず石を投げなさい ” を連想します。
きっぱりとけりがついた ― 2024-11-07
≪- Родя! - вскричала Пульхерия Алеквандровна.
Дунечка покраснела; Разумихин сдвинул брови. Лужин язвительно и высокомерно улыбнулся.
- Сами изволите видеть, Авдотья Романовна, - сказал он, - возможно ли тут соглашение: Надеюсь теперь, что дело это кончено и разъяснено, раз навсегда.≫
<試訳> 「ロージャ!」 プリヘーリヤが叫んだ。
ドゥーネチカは顔を赤らめ、ラズミーヒンは眉を寄せた。ルージンは毒々しく、傲慢ににやりと笑った。
「ごらんの通りです、アブドーチャ・ロマーノブナ」 彼は言った。「これでは和解どころではありません。今となっては問題は永久にきっぱりとけりがついたという事に願いたいものですな」
・ 皆の様子から、ルージンは自分の見解に賛同者がなく、孤立しているのを思い知ります。ラスコーリニコフとはとても折り合えないようですが、ドゥーニャとの結婚がどうなるかはまだ定かではありません。
Дунечка покраснела; Разумихин сдвинул брови. Лужин язвительно и высокомерно улыбнулся.
- Сами изволите видеть, Авдотья Романовна, - сказал он, - возможно ли тут соглашение: Надеюсь теперь, что дело это кончено и разъяснено, раз навсегда.≫
<試訳> 「ロージャ!」 プリヘーリヤが叫んだ。
ドゥーネチカは顔を赤らめ、ラズミーヒンは眉を寄せた。ルージンは毒々しく、傲慢ににやりと笑った。
「ごらんの通りです、アブドーチャ・ロマーノブナ」 彼は言った。「これでは和解どころではありません。今となっては問題は永久にきっぱりとけりがついたという事に願いたいものですな」
・ 皆の様子から、ルージンは自分の見解に賛同者がなく、孤立しているのを思い知ります。ラスコーリニコフとはとても折り合えないようですが、ドゥーニャとの結婚がどうなるかはまだ定かではありません。
私は退散いたします ― 2024-11-08
≪ Я же удалюсь, чтобы не мешать дальнейшей приятности родственного свидания и сообщению секретов (он встал со стула и взял шляпу). Но уходя, осмелюсь заметить, что впредь, надеюсь быть избавлен от подобных встреч и, так сказать, компромиссов. Вас же особенно буду просить, многоувазаемая Пульхерия Александровна, на эту же тему,тем паче что и письмо моё было адресовано вам, а не кому иначе.≫
<試訳> 「これからのご家族の団欒の楽しさと秘密の話を邪魔せぬよう、私は退散いたします」 ルージンは椅子から立ち上がり、帽子をつかんだ。「しかし、去るに当たってあえて一言申し上げておきますが、以後はこのような集まりとか、言わば妥協などというようなものは御免蒙りたく存じます。とりわけあなたには、プリヘーリヤ・アレクサンドロブナ、この点をしかとお願いしておきます。それに私の手紙はあなたに宛てたもので、他の誰に宛てたものではないのですからね」
・ 去るに当たっても不遜なルージンは、プリヘーリヤが手紙の内容を子供たちに知らせた事を根に持っている言い方です。狭量で執念深い性格が露わですが、ドゥーニャの結婚をとりやめたのかどうかはっきりしません。
<試訳> 「これからのご家族の団欒の楽しさと秘密の話を邪魔せぬよう、私は退散いたします」 ルージンは椅子から立ち上がり、帽子をつかんだ。「しかし、去るに当たってあえて一言申し上げておきますが、以後はこのような集まりとか、言わば妥協などというようなものは御免蒙りたく存じます。とりわけあなたには、プリヘーリヤ・アレクサンドロブナ、この点をしかとお願いしておきます。それに私の手紙はあなたに宛てたもので、他の誰に宛てたものではないのですからね」
・ 去るに当たっても不遜なルージンは、プリヘーリヤが手紙の内容を子供たちに知らせた事を根に持っている言い方です。狭量で執念深い性格が露わですが、ドゥーニャの結婚をとりやめたのかどうかはっきりしません。
私たちを支配する力を手にしている ― 2024-11-09
≪Пульхерия Александровна немного обиделась.
- Что-то вы уж совсем нас во власть свою берете, Пётр Петрович. Дуня вам рассказала причину, почему не исполнено ваше желание: она хорошие намерения имела. Да и пишете вы мне, точно приказываете. Неужели ж нам каждое желание ваше за приказание считать?≫
<試訳> プリヘーリヤは少しむっとした。
「何かあなたはもうすっかり私たちを支配する力を手にしている様ですねルージンさん。ドゥーニャはあなたに、なぜご希望を果たさなかったか、理由を申しました。あの子が良かれと考えてした事です。そう、あなたは私にまるで命令するように書いておられます。いったい私どもはご要望をいちいち命令と考えなければいけませんのでしょうか?」
・ プリヘーリヤがルージンに疑問を投げかけます。これまでは娘の結婚相手として、彼の言う通りに従ってきました。ずっと抑えていた思いを吐露し始めます。希望を果たさなかったというのは、ラスコーリニコフの同席についてです。
<試訳> プリヘーリヤは少しむっとした。
「何かあなたはもうすっかり私たちを支配する力を手にしている様ですねルージンさん。ドゥーニャはあなたに、なぜご希望を果たさなかったか、理由を申しました。あの子が良かれと考えてした事です。そう、あなたは私にまるで命令するように書いておられます。いったい私どもはご要望をいちいち命令と考えなければいけませんのでしょうか?」
・ プリヘーリヤがルージンに疑問を投げかけます。これまでは娘の結婚相手として、彼の言う通りに従ってきました。ずっと抑えていた思いを吐露し始めます。希望を果たさなかったというのは、ラスコーリニコフの同席についてです。
私と話す口ぶりが変わった ― 2024-11-10
≪А я так вам напротив скажу, что вам следует теперь к нам быть особенно деликатным и снисходительным, потому что мы всё бросили и, вам доверясь, сюда приехали, а стало быть, и без того уж почти в вашей власти состоим.
- Это не совсем справедливо, Пульхерия Александровна, и особенно в настоящий момент, когда возвещено о завещанных Марфой Петровной трёх тысячах, что, кажется, очень кстати, судя по новому тону, которым заговорили со мной, - прибавил он язвительно.≫
<試訳> 「私は反対に、あなたは今、私共に特別優しく親切にして下さるべきだと申しましょう。なにしろ私達はあなたを信じて頼りに、全てを投げうってこちらへ参りましたのですもの。ですから、それでなくても、もうあなたの支配のもとに入っているようなものじゃありませんか」
「いや、そうとも言えませんよ、プリヘーリヤ・アレクサンドロブナ。とりわけ、マールファ・ペトロ―ブナの遺言された3千ルーブルについて知らされたこの時になって、私と話す口ぶりが変わった事から判断いたしまして、そのお話はまことに時宜を得たようですな」 ルージンは毒々しく付け加えた。
・ プリヘーリヤがルージンを頼りにしている事を訴え、寛大さを求めます。けれども彼は、マールファからの入金を知ったので、彼女が態度を変えて、非難し出したと邪推します。貧しさから金の力で這い上がってきた彼の経験から、人の心が金で変わると考えてしまうようです。
- Это не совсем справедливо, Пульхерия Александровна, и особенно в настоящий момент, когда возвещено о завещанных Марфой Петровной трёх тысячах, что, кажется, очень кстати, судя по новому тону, которым заговорили со мной, - прибавил он язвительно.≫
<試訳> 「私は反対に、あなたは今、私共に特別優しく親切にして下さるべきだと申しましょう。なにしろ私達はあなたを信じて頼りに、全てを投げうってこちらへ参りましたのですもの。ですから、それでなくても、もうあなたの支配のもとに入っているようなものじゃありませんか」
「いや、そうとも言えませんよ、プリヘーリヤ・アレクサンドロブナ。とりわけ、マールファ・ペトロ―ブナの遺言された3千ルーブルについて知らされたこの時になって、私と話す口ぶりが変わった事から判断いたしまして、そのお話はまことに時宜を得たようですな」 ルージンは毒々しく付け加えた。
・ プリヘーリヤがルージンを頼りにしている事を訴え、寛大さを求めます。けれども彼は、マールファからの入金を知ったので、彼女が態度を変えて、非難し出したと邪推します。貧しさから金の力で這い上がってきた彼の経験から、人の心が金で変わると考えてしまうようです。
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