人を小馬鹿にするようなところ2024-02-09

 ≪Полфирий Петрович был по-домашнему, в халате, в весьма чистом бельё и в стоптанных туфлях. Это был человек лет тридцати пяти, росту пониже среднего, полный и даже с брюшком, выбритый, без усов и без бакенбард, с плотно выстриженными волосами на большой круглой голове, как-то особенновыпукло закругленной на затылке. Пухлое, круглое и немного курносое лицо его было цвета больного, тёмно-жёлтого, но довольно бодрое и даже насмешливое.≫

<試訳> ポルフィーリイは、こざっぱりしたシャツにガウンを着て、履きつぶしたスリッパをひっかけ、くつろいだ格好だった。年齢は35才ほどで、中背よりやや低く、太鼓腹と言ってもいいほど太っていた。ひげはきれいに剃られて口髭も頬髭もなく、丸く大きな頭の髪がきれいに刈り込まれて、特に後頭部が妙に丸く突き出ていた。やや獅子鼻のふっくらした丸い顔の色が病人のように黄色くくすんでいたけれども、かなり元気そうで、人を小馬鹿にするようなところさえあった。

・ 例の事件を担当している予審判事ポリフィーリイの容貌が説明されています。老練な判事かと思っていいたのですが30代と意外でした。もっとも、ロシアの男性の平均寿命は、統計のある1927年で33.7才 (Wikipediaによる) と低く、その後もしばらく30才台で推移しています。乳幼児の死亡率の高さ、戦争の影響、飲酒癖などを考慮しなければならないので、一概には言えないにしても、この小説が書かれた19世紀末頃の30代は年配の扱いだった可能性があります。

コメント

_ 潤 ― 2024-02-09 15:37

微に入り細に入りの描写で思い描くことができますが、35歳ほどとは。寿命が短いのですね。あれよあれよという間に寿命は延びた感じがします。弊害も多そうですよ。長く生きればいいというものではないでしょうから。

_ mir→潤さん ― 2024-02-10 14:35

コメントされている通り、世界的には近代以降の寿命の延びと人口増加が急激です。それに伴う食料や水の不足、資源の枯渇、気候変動… などが事ある毎に叫ばれています。個体としても、歳と共に身体の各部の劣化が進むのは生物として当然です。人によりますが、寿命の延びが即、豊かな人生とは限りませんね。

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

※投稿には管理者が設定した質問に答える必要があります。

名前:
メールアドレス:
URL:
次の質問に答えてください:
この小説が書かれた国の名をカタカナ3文字でご記入下さい。

コメント:

トラックバック