狂おしい憎悪が ― 2013-09-05
≪Страшная, неистовая злоба закипела вдруг в сердце Мити: "Вот он, его соперник , его мучитель, мучитель его жизни!" Это был прилив той самой внезапной, мстительной и неистовой злобы, про которую, как бы предчувствуя её, возвестил он Алёше в разговоне с ним в беседке четыре дня назад, когда ответил на вопрос Алёши: "как можешь ты говорить, что убьёшь отца?"≫
<試訳> 恐ろしいほど狂おしい憎悪が突然ミーチャの心に湧きあがった。“ この男こそがミーチャの恋敵であり、彼を苦しめる男、彼の人生の迫害者なのだ!” それは不意に込み上げて来たまさしくあの復讐の念に満ちた執拗な憎悪、つまりミーチャがまるでそれを予感したかのように4日前にあずまやでの会話の中でアリョーシャにきっぱり言っていた ― “ 父さんを殺すなんて、どうしてそんな事が言えるんですか?” と問うアリョーシャに答えた時の憎悪だった。
・ 父フョードルに対する凄まじい感情です。この穏やかならない胸の内はすでにアリョーシャに語られていたのです。
<試訳> 恐ろしいほど狂おしい憎悪が突然ミーチャの心に湧きあがった。“ この男こそがミーチャの恋敵であり、彼を苦しめる男、彼の人生の迫害者なのだ!” それは不意に込み上げて来たまさしくあの復讐の念に満ちた執拗な憎悪、つまりミーチャがまるでそれを予感したかのように4日前にあずまやでの会話の中でアリョーシャにきっぱり言っていた ― “ 父さんを殺すなんて、どうしてそんな事が言えるんですか?” と問うアリョーシャに答えた時の憎悪だった。
・ 父フョードルに対する凄まじい感情です。この穏やかならない胸の内はすでにアリョーシャに語られていたのです。
コメント
_ Rhio ― 2013-09-06 22:05
_ mir→Rhioさん ― 2013-09-07 08:53
ありがとうございました。疑問が氷解しました。 "его..." がミーチャの内心の声だという考えに捉われた苦し紛れの訳でした。作者の呟きとすると自然です。訂正します。
_ Rhio ― 2013-09-10 18:48
"его..." がミーチャの内心の声であると、とるのが普通で、日本の翻訳者も「俺の」とか一人称でегоを訳してます。確かにその方が日本語として自然です。しかし、手元の英語訳は2つともhisとなってます。なぜ、作者はここでегоをつかったのでしょうか。
所謂、中間話法というのではないと思います。作者が登場人物に共感して思わず、自分の声をあげてしまったのでしょうか。
それにしても、4日前のことをここで持ち出すのも、時間軸を自由に動き回り、ミーチャの心の中をさらけ出す、作者の自由奔放な視点の動きは、たとえ、映像とともに登場人物の心の内をナレーションで語らせても、4日前のことを持ち出す訳にもいかず、お手上げでしょう。こういう心理描写の場面を扱うには小説が一番です。
遅れたコメントで申し訳ありません。外野からの声の自由度も大き過ぎますね。
ついでですが、ロシア語って " ” は使わないんですか。
今更ながら、ですが。
所謂、中間話法というのではないと思います。作者が登場人物に共感して思わず、自分の声をあげてしまったのでしょうか。
それにしても、4日前のことをここで持ち出すのも、時間軸を自由に動き回り、ミーチャの心の中をさらけ出す、作者の自由奔放な視点の動きは、たとえ、映像とともに登場人物の心の内をナレーションで語らせても、4日前のことを持ち出す訳にもいかず、お手上げでしょう。こういう心理描写の場面を扱うには小説が一番です。
遅れたコメントで申し訳ありません。外野からの声の自由度も大き過ぎますね。
ついでですが、ロシア語って " ” は使わないんですか。
今更ながら、ですが。
_ mir→Rhioさん ― 2013-09-10 21:12
中間話法を知りませんでしたので、さらに理解が深まりました。
知っている範囲では、実際に口に出した会話文は ― で(文末に無し)、心の内のつぶやきは≪≫で表記されていますね。
元にしている原文が ― と" " になっているのでこれに合わせています。どの程度使われているのかは分かりません。
知っている範囲では、実際に口に出した会話文は ― で(文末に無し)、心の内のつぶやきは≪≫で表記されていますね。
元にしている原文が ― と" " になっているのでこれに合わせています。どの程度使われているのかは分かりません。
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訳は苦労されたあとがありますが、егоを彼としてしまうと、読む方は多少混乱してしまうのではないでしょうか。作者の視点は尊重したいのですが・・・
そてにしても、全くひどい親父で、彼が殺意を抱くのはもっともだと思います。この場面は本当に絵画的で、真理描写もすばらしく、
暗闇の黒、スイカズラの赤、屏風の赤、包帯の赤、カフスボタンの金色、部屋のロウソクの炎の色、これらを映像に置き換えるのは不可能です。