調理場にそっと入って2021-04-10

 ≪Итак, стоило только потихоньку войти, когда придёт время, в кухню и взять топор, а потом, чрез час (когда всё уже кончится), войти и положить обратно. Но представлялись и сомнения: он, положим, придёт через час, чтобы положить обратно, а Настасья тут как тут, воротилась. Конечно, надо пройти мимо и выждать, пока она опять выйдёт.≫

<試訳> そんなわけで、時間になったら調理場にそっと入って斧を持ち出せばいいだけだし、1時間ほど経って ( 事が全て終わったら ) また入って戻しておけばいい。だが懸念もあった。1時間後に戻しに来た時、ナスターシャがもう帰っていたらどうするか。もちろん、素通りして彼女がまた出かけて行くのを待たなければならない。

・ 凶器の斧を持ち出し、また戻す段取りです。簡単とは言え自分の部屋の外での事で、その時そこで何が起こるか分かりません。頭にある計画が不確定な現実の中で思い通りに運ぶのか、実行してみなければわからない危うさが常にあります。

コメント

_ 伯 ― 2021-04-10 09:56

ラスコー君、理由があっての計画なのでしょうが、危うさに読むほうのアドレナリン放出もかなりなものです。当人も相当出ていると思いますが。
書き手は楽しんでいる?

_ mir→伯さん ― 2021-04-11 10:23

過敏な感受性にそぐわない事を彼はやろうとしています。事の重大さを持ちこたえられるのか、彼のびくつきながらの振舞いのひとつ一つに目が離せませんね。それだけ心理描写が巧みのなのだと思います。
このような長編で、複雑に絡む登場人物の心理や言動、時間や場所、状況を、矛盾なく緻密に構成し続けるのは、作者にとってきっと大変な作業だろうと想像します。それはどの芸術家にも共通な創造の苦しみでしょう。それだけに思い通りの作品を仕上げた成就感は大きいに違いありません。

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