目立たないように苦心した2021-04-27

 ≪Он шёл дорогой тихо и степенно, не торопясь, чтобы не подать каких подозрений. Мало глядел он на прохожих, даже старался совсем не глядеть на лица и быть как можно неприметнее. Тут вспомнилась ему его шляпа. "Боже мой! И деньги были третьего дня, и не мог переменить на фуражку!" Проклятие вырвалось из души его.≫

<試訳> 彼はちょっとでも不審に思われないように、急がずにそっと落着きはらって通りを歩いた。通行人をあまり見なかった。というより、人の顔をいっさい見ないように努めて、目立たないように苦心した。そこで帽子の事を思い出した。“ しまった! 金がおとといからあったのに、学生帽に替えられなかった!” 胸の奥から罵りの言葉が口を突いた。

・ 斧を外套の内側に隠し持ちながら緊張して通りを歩く彼の気持を想像します。平然としようと意識するほど、かえってぎごちなくなるようです。以前、通りを歩いていて、すれがった荷馬車の男から、“ やーい、ドイツ帽野郎!” と叫ばれる場面がありました。そこで彼は、“ この帽子は目立ちすぎる、… 何としても学生帽じゃなくちゃ… 後になって思い出される… ”、と思い知ります。その事をすっかり忘れていたのです。