そのまま消えてしまった2015-12-16

 ≪Вот и смастерили они такой кусок и бросили вот этой самой лохматой Жучке, о которой теперь такая история, одной дворовой собаке из такого двора, где её просто не кормили, а она-то весь день на ветер лает. (Любите вы этот глупый лай, Карамазов? я терперь не могу.) Так и бросилась, проглотила и завизжала, завертелась и пустилась бежать, бежит и всё визжит, и исчезла,- так мне описывал сам Илюша.≫

<試訳> 「それで二人はそんなパン切れを作って、例の毛むくじゃらのジューチカに投げてやったんです。それが今話題になっている犬で、ほとんど餌を与えられず、一日中風に向かって吠えているという、そんな屋敷の番犬ですよ。(こういう愚かしい吠え声はお好きですか、カラマーゾフさん? 私にはとても我慢できません) こうして餌に飛びついて呑みこむや、キャンキャン鳴き出してぐるぐる回り、突然走り出してキャンキャン鳴いて、ずっと悲鳴をあげながらそのまま消えてしまったんです。これはイリューシャ自身が述べたんです」

・ 生き物へのこのような行為は一線を越えたものです。このいわくある犬を巡るスメルジャコフとイリューシャの関係、それをコーリャがアリョーシャに伝えるという場面に立ち会わされているのです。しかも寒い戸外、すぐ前にはイリューシャの家があり、彼には死が迫っています。時間も空間も重層的な状況に深みを感じます。

コメント

_ 慎之介 ― 2015-12-16 12:37

ジューチカが何故いなくなったのか、いずれ説明があると思っていましたが、なんということでしょう。スメルジャコフが出てきてどうなるかと思っていたら、こんなことに。ジューチカへの仕打ちはなぜ????人の心の闇は恐ろしい。

_ mir→慎之介さん ― 2015-12-17 11:16

生命あるものへの虐待を知ると心が痛み暗い気分になります。人間性を踏み越えてしまうのは普通の心理状態ではないのだと思います。呵責に身を震わせるイリューシャはかわいそうですが、救われます。
人間同士で大規模な生命軽視が現に進行している現代に、彼の泣き声が響きわたるかのようです。

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