イワンの苦悩2010-01-11

イワンの持論に対しゾシマ長老が語る。

≪Идея это ещё не решено в вашем серце и мучает его. Но и мученик любит иногда забавляться своим отчаянием, как бы тоже от отчаяния.   Пока с отчаяния и вы забавляетесь – и журнальными статьями, и светскими спорами, сами не веруя своей диалектике и болью сердца усмехаясь ей про себя... ≫

<試訳> この考えはあなたの心の中でまだ解決されていないので苦しむのだよ。もっとも受難者はしばしば、絶望によって苦しむかのように自分の絶望を楽しむものなのだが。今、あなたも絶望から雑誌の論文や世間の論争で内心の痛みをもって楽しんでいるんだよ、自分で自分の論理を信じずにそれを腹の内で嘲笑しながら。

信仰をめぐる議論が続いています。「不死がなければ、善もない」と述べるイワンに、長老が静かに語ります。イワンの明らかに動揺した様子がこの前後に描かれています。表面的には無神論を語る彼の内心の苦悩を見透かされたようです。イワンのこの苦しみは最後まで続き破綻をもたらすことになります。カラマーゾフ一家の苦しみです。

コメント

_ gieyon ― 2010-01-16 22:32

不死とか魂の不滅がどれほど重大なことなのか、私にはわかりません。無とか空というほうが、まだピンとくるのです。育った土壌の違いを感じます。

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