罪と罰・試訳　一線を越えた人間の苦悩と愛が、時空を越えて今日もここに響く…

　≪- Ты прав, - решил Алёша, - решить невозможно раньше приговора суда. После суда сам и решишь; тогда сам в себе нового человека найдёшь, он и решит.
- Нового человека, аль Бернара, тот и решит по-Бернаровски! Потому, кажется, я и сам Бернар презренный! - горько осклабился Митя.
- Но неужели, неужели, брат, ты так уж совсем не надеешься оправдаться?≫

＜試訳＞　「兄さんの言う通りです」 アリョーシャが断言した。「判決より早く決める事はできません。判決の後、自分で決めるんですね。その時、兄さん自身の中に新しい人間を見出すでしょう、その人が決めますよ」
「新しい人間か、それともベルナールをな、そいつがベルナール流に決めるんだ！だって多分僕は軽蔑するベルナールそのもののような気がするからさ！」 ミーチャは 苦々しく笑った。
「じゃあ本当に、本当に兄さんは、無実の証明を全然期待していないんですか？」

・　アリョーシャの結論は今の時点で言えるぎりぎりの気持です。誰でも結局は自ら選択し決断し、その結果を負って生きていくしかないのです。ドミートリィはベルナールを科学至上の無神論的な学者と批判して嫌っています。 “ ベルナール流に ” は、神を畏れず功利的にと自嘲したのでしょう。