罪と罰・試訳　一線を越えた人間の苦悩と愛が、時空を越えて今日もここに響く…

　≪"Меня, меня вместе с ним в каторгу пошлите, я его до того довела, я больше всех виновата!" восклицала эта женщина сама, уже в искреннем раскаянии, в минуту его ареста. Талантливый молодой человек, взявший на себя описать настоящее дело, -всё тот же г. Ракитин, о котором я уже упоминал, - в нескольких сжатых и характерных фразах определяет характер этой героини:≫

＜試訳＞　“ 私を、私をこの人と一緒に徒刑地へ送って下さい、そこまで追い込んだのは私です、誰よりも私が悪いんです！” と、彼の逮捕の瞬間に心から後悔の念を抱いて叫んだのはあの女性自身です。本事件を記述するのを引き受けられた才能ある青年、つまり、私がすでに名をあげた、例のラキーチン氏ですが、数行の簡潔で個性的な文章で、このヒロインの性格を次のように規定しています。

・　ドミートリィがモークロエで逮捕された時、自分のために罪を犯したと思い込んだグルーシェンカが咄嗟に叫びました。それが逆に犯行の裏付けとされます。ラキーチンはカラマーゾフ家の事情を良く知っているのを生かして、この事件の情報を集め、発信して名を売る絶好の機会にするつもりです。グルーシェンカとも身内で親しいので、レポーターとして適役なのです。