忌まわしい幻影を振り払って ― 2019-07-27
≪Учил ли его кто-нибудь уму-разуму, просвещён ли он в науках, любил ли кто его хоть сколько-нибудь в его детстве? Мой клиент рос покровительством божиим, то есть как дикий зверь. Он, может быть, жаждал увидеть отца после долголетней разлуки, он, может быть, тысячу раз перед тем, вспоминая как сквозь сон своё детство, отгонял отвратительные призраки, приснившиеся ему в его детстве и всею душой жаждал оправдать и обнять отца своего!≫
<試訳> 誰にせよ彼に道理を教えた人がいたでしょうか、学問に目を開かされたでしょうか、幼い頃に多少なりとも彼を愛してやった人がいたでしょうか? 私の依頼人は神の庇護によって、つまり野獣のように育ったのです。被告は永い別離の後、父親と会うのを切望していたかも知れませんし、その再会を前に何度となく幼年時代を夢の中の事のように思い出しながら、その時代の夢に見た忌まわしい幻影を振り払って、心の底から自分の父親を容認して抱擁しようと渇望していたかも知れないのです。
・ 幼い子供の不幸な状況には胸が痛む思いです。カラマーゾフ家の経緯を知る傍聴人はことさらでしょう。帰郷して父に会おうとするドミートリィの心境が語られます。検事の論告では全く触れていない部分です。
<試訳> 誰にせよ彼に道理を教えた人がいたでしょうか、学問に目を開かされたでしょうか、幼い頃に多少なりとも彼を愛してやった人がいたでしょうか? 私の依頼人は神の庇護によって、つまり野獣のように育ったのです。被告は永い別離の後、父親と会うのを切望していたかも知れませんし、その再会を前に何度となく幼年時代を夢の中の事のように思い出しながら、その時代の夢に見た忌まわしい幻影を振り払って、心の底から自分の父親を容認して抱擁しようと渇望していたかも知れないのです。
・ 幼い子供の不幸な状況には胸が痛む思いです。カラマーゾフ家の経緯を知る傍聴人はことさらでしょう。帰郷して父に会おうとするドミートリィの心境が語られます。検事の論告では全く触れていない部分です。
コメント
_ 慎之介 ― 2019-07-27 07:37
親はなくとも子は育つ、こんな言葉を聞いたのは何時の事だったのか、思い出すことも出来ない言葉ですが、この言葉の前後はどういった言葉が並んでいたのでしょう。今、あらためて考えさせられます。
_ mir→慎之介さん ― 2019-07-28 14:02
出典のある文中の一部ではなく単独の諺のようです。短い表現ですから、どのようにも受け取れます。たとえばドミートリィに直接これを言ったとすると、「養育放棄は許し難い」 と憤慨するか、「あんな父の不在はかえって良かったのだ」 と慰めになるかも知れません。人間の感情は何と複雑、イワシやサンマの親子関係のように淡々と?はいかないな、と考え込んでしまいます。
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