かならず行くのだよ2010-08-04

約束の人達に会いに行くよう諭すゾシマ長老

≪Старец, раскрыв утомлённые очи и пристально глянув на Алёщу, вдруг спросил его: - Ждут ли тебя твои, сынок?
Алёша замялся.
- Не имеют ли нужды в тебе? Обещал ли кому вчера на сегодня быти?
- Обещался... отцу... братьям... другим тоже...
- Видишь. Непременно иди. Не печалься. Знай, что не умру без того, чтобы не сказать при тебе последнее моё слово.≫

<試訳>長老は疲れ切った眼を開けアリョーシャをじっと見つめ、急に尋ねた。
「お前を身内が待っておるのじゃろう」  アリョーシャは言葉につまった。
「皆がお前に用があるのじゃないかね。きのう誰かに今日の約束をしただろうが」
「約束しました・・・ 父に・・・ 兄達に・・・ 他の人たちにも・・・」
「そうだろう。かならず行くのだよ。悲しむんじゃないぞ。この世の最後の言葉をお前に話すまでわしは死なずにおるからな」

衰弱しきった長老がアリョーシャに会いたいと望み、彼が急いで駆けつけた時の会話です。約束はあるけれど今日はずっと長老の傍にいようと決めていた彼ですが、長老は見透かしていて、彼らの所へ必ず行くようにと諭すのです。困難を抱えている人達にアリョーシャが必要な存在であること、そこに彼の役割があることを示しています。戒律や教義よりも実践的な愛を尊ぶ長老の教えです。