罪と罰・試訳　一線を越えた人間の苦悩と愛が、時空を越えて今日もここに響く…

　≪Вот в этом и дело: не в трёх тысячах, не в сумме собственно заключался предмет постоянного и исступлённого озлобления подсудимого, а в том, что была тут особая причина, возбуждавшая его гнев. Причина эта - ревность!"
Здесь Ипполит Кириллович пространно развернул всю картину роковой страсти подсудимого к Грушеньке.≫

＜試訳＞　ここにこそ問題があるのです。被告が絶えず激昂して憤慨する対象は、実際には３千ルーブルという金額にあるのではなく、そこに彼の怒りをかきたてる特別な原因が存在していた事にあるのです。その原因こそ嫉妬なのです！”
ここでイッポリート検事は、グルーシェンカへの被告の運命的で熱烈な激情の全景を事細かに展開した。

・　父親に対するドミートリィの苛立ちや激しい憎悪は、表面的には金銭問題として表れていますが、実際はグルーシェンカを巡る嫉妬が大きな原因だと検事が指摘します。医学鑑定では責任能力がある方を主張しているので、仮に有罪にされると減刑も考えられないでしょう。