実践的な愛(1)2010-01-04

信仰に悩む貴婦人に対して長老は愛の実践を説く。

≪Опытом деятельной любви. Постарайтесь любить ваших ближних деятельно и неустанно. По мере того, как будете преуспевать в дюбви, будете убеждаться и в бытии бога, и в бессмертии души вашей.≫

<試訳> 実践的な愛の体験によってだよ。あなたの身近な人々を懸命に倦むことなく愛するように努力なさい。愛することがうまくいくにつれて神の存在やあなたの魂の不滅を得心できるようになるんだよ。

純朴で信仰に篤い農婦に続いて、長老は偽善や不信に悩む貴婦人に応対して無償の愛の実践を説くのです。教条的な教えではなく一人一人の問題を見抜いて心に響く言葉を発する彼の存在は、この小説の一つの峰となっています。

コメント

_ gieyon ― 2010-01-04 21:56


ゾシマ長老は自身の経歴、相手の心理を読み取る力、未来を信じる強さなど、どれをとっても類い稀な人物と思われます。ただ優しいだけのおじいさんではないから、語調もときには激しくときには皮肉に訳したらどうなるでしょうか。

_ mir→gieyon ― 2010-01-05 08:45

参考になります。「人間は多面性を持つ」というのが作者の考えですから、単純化した性格表現を避けるべきですね。ゾシマ長老の軍歴などの生い立ちを記述していることにもその意図を感じます。語彙の選び方や語調でも印象が変わります。”я”を「わたしは」とするか「わしは」とするかだけでもで人物像が違い悩むところです。意味を把握するのに精いっぱいで、原文のニュアンスを正しく伝えていないと思いますし、統一性についても自信がありません。専門家の翻訳書にお任せして、感想と考察に重点を置いています。

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