まだ泥棒じゃないかも知れない2015-05-16

 ≪Да я оттого и свирепствовал в этот месяц, оттого и дрался в трактире, оттого и отца избил, что чувствовал себя вором! я даже Алёше, брату моему, не решился и не посмел открыть про эти полторы тысячи: до того чувствовал, что подлец и мазурик! Но знайте, что пока я носил, я в то же время каждый день и каждый час мой говорил себе: "Нет, Дмитрий Фёдорович, ты может быть ещё и не вор".≫

<試訳> 「それで僕はこのひと月というもの乱暴に振舞っていたんです、それで居酒屋で殴り合いもしたし、父を殴りもしました、自分を泥棒だと感じていたからですよ! それでも僕は弟のアリョーシャにもこの1500ルーブルについては打ち開ける決心がつかず、その勇気もありませんでした。それほどまで卑劣漢で盗人だと感じていたんです!でも、分かって下さい、身に携えているあいだ、同時にまた僕は毎日毎時間、自分に言っていたんです、“ いや、ドミートリィ・フョードロビッチ、お前はまだ泥棒じゃないかも知れないんだぞ ” と」

・ ドミートリィの供述は過去の行動に対する自己の心理分析ですから、聴取する側にとっては歯がゆさを感じると思います。フョードルの死からすっかり離れたところが問題にされていて、肝心の現場付近の状況、屋敷の使用人たち、スメルジャコフはどうなっているのか気がかりです。