やはり卑劣漢にとどまる ― 2019-05-26
≪После этого получить, значит, уже не у кого, избитый отец не даст. В тот же день вечером он бьёт себя по груди, именно по верхней части груди, где эта ладонка, и клянётся брату, что у него есть средство не быть подлецом, но что всё-таки он останется подлецом, ибо предвидит, что не воспользуется средством, не хватит силы душевной, не хватит характера.≫
<試訳> こうなった以上、もう誰からも金を得るあてがなく、殴られた父親がくれるはずもありません。ちょうどその日の夕方、被告は自分の胸を、例のお守り袋がある胸の上のあたりを叩いて、卑劣漢にならない手段があるけれど、やはり卑劣漢にとどまるのさ、なぜなら、その手は使わないだろうと今から分かる、精神力が足りず強い意志に欠けているからだよ、と弟に強く請け合っているのです。
・ アリョーシャが法廷でつい先ほど思い出した証言内容がそのまま引用されます。ドミートリィが首にかけていた1500ルーブル入りのお守り袋のあたりを示した事実が浮かび上がります。これの存在の認否は大きな意味を持ちます。
<試訳> こうなった以上、もう誰からも金を得るあてがなく、殴られた父親がくれるはずもありません。ちょうどその日の夕方、被告は自分の胸を、例のお守り袋がある胸の上のあたりを叩いて、卑劣漢にならない手段があるけれど、やはり卑劣漢にとどまるのさ、なぜなら、その手は使わないだろうと今から分かる、精神力が足りず強い意志に欠けているからだよ、と弟に強く請け合っているのです。
・ アリョーシャが法廷でつい先ほど思い出した証言内容がそのまま引用されます。ドミートリィが首にかけていた1500ルーブル入りのお守り袋のあたりを示した事実が浮かび上がります。これの存在の認否は大きな意味を持ちます。
コメント
_ 慎之介 ― 2019-05-26 11:35
心根は優しいのに、堪え性のないドミートリィ。世の中にそのような人結構いますよね。科学?がどんなに発達しようが人はいつまでもゼロからの出発になり、なかなかその進歩に寄り添えないものなのですね。
_ mir→慎之介さん ― 2019-05-27 09:52
約一世紀半も前の人々なのに、心の動きや振舞いは今なお理解でき、時の隔たりを感じませんね。ご指摘のように、心情の面では進歩の概念が当てはまらないのかも知れません。科学技術の急激な発展で、人間が全面的に進歩したと、何か勘違いしているようです。もちろん自然観や世界観の面での前進はありました。でも、精神の領域では、こうして当時の人々に接すると、かえって感性の豊かさや、真剣な生き方を思い出させられます。小説の世界ではありますが…。
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