善良な方らしい、と結婚するなんて2020-11-03

 ≪Гм... Так, значит, решено уж окончательно: за делового и рационального человека изволите выходить, Авдотья Романовна, имеющего свой капитал (уже имеющего свой капитал, это солиднее, внушительнее) служащего в двух местах и разделяющего убеждения новейщих наших поколений (как пишет мамаша) и, "кажется, доброго", как замечает сама Дунечка. Это кажется всего великолепнее! И эта же Дунечка за это же кажется замуж идёт!... Великолепно! Великолепно!...≫                                                                                                                 <試訳> ふーむ…。すると、つまりきっぱりともう決心したわけだ、アブドーチヤ・ロマーノブナ。実務的で分別のある男、資産を持っていて ( もう自分の資産を持っているとは堅実で、聞こえもいいさ )、2か所に勤めを持っていて、我が国の新しい世代の思想に共鳴し ( 母さんの手紙によれば )、しかも、ドゥーネチカ自身の言い草では “ 善良な方らしい ” 男に嫁ごうとなさるんだ。この、らしい、が素敵さ! あのドゥーネチカが、この、らしい、と結婚するなんて!…。傑作だ! 実に結構なこったよ!…。                                                                                            ・ 見極める暇も与えられずに決断した妹への辛辣な皮肉がラスコーリニコフの口を突きます。一見条件の良さそうな相手に対して、疑念がふつふつと湧くのです。まるで妹を前にしているように独り言を呟きながら、彼は通りを歩いているところです。 アブドーチヤ・ロマーノブナはドゥーニャの正式名です。

コメント

_ 伯 ― 2020-11-03 10:21

ドウーニャの名前も長いこと、舌を噛みそうです。江戸時代の侍の名前とにています。ロシア小説を馴染めない理由がここにあるような。内容は素晴らしいのに。

_ mir→伯さん ― 2020-11-04 21:38

ロシア人の名前は分かりにくいですね。基本的には、名+父称+姓、です。一家を正式名で言うと、母はプリヘーヤ・アレクサンドロブナ・ラスコーリニコワで、彼女の父はアレクサンドルだと分かります。つまりアレクサンドルの娘で、ラスコーリニコフ家のプリヘーヤというわけです。息子はロジオン・ロマーヌィッチ・ラスコーリニコフですから、亡き父の名はロマンで、ロマン・(父の父の名)・ラスコーリニコフです。娘はアブドーチャ・ロマーノブナ・ラスコーリニコワで、もし彼女がルージンと結婚すると、アブドーチャ・ロマーノブナ・ルージナ(夫の姓)となるでしょう。ちなみに、女性名の末尾の母音はアまたはヤになるのです。
さらにこれが違う順で言われる場合もあったり、一つの名前に愛称がたくさんあったり…。

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