十字架をかけてねえのか2021-01-28

 ≪Но уж бедной лошадке плохо. Она задыхвается, останавливается, опять дергает, чуть не падает.
- Секи до смерти! - кричит Миколка, - на то пошло. Засеку!
- Да что на тебе креста, что ли, нет, леший! - кричит один старик из толпы.
- Видано ль, чтобы така лошаденка таку поклажу везла, - прибавляет другой.
- Заморишь! - кричит третий.≫

<試訳> しかし哀れな馬はもう弱り果てていた。喘いでは立ち止まり、また引こうともがき、あやうく倒れそうだ。
「死ぬまで鞭打て!」 ミコールカが叫ぶ。「こうなりゃ仕方ねえ。ぶちのめすんだ!」
「まったく、お前は十字架をかけてねぇのか、いかんぜ、おい!」 群衆の中から一人の老人がさけんだ。
「こんな痩せ馬がこんだけの積み荷を運ばせるのを見た事ねえ」 他の者が言った。
「くたばらせてしまうつもりか!」 もう一人が叫んだ。

・ ミコールカは逆上してもう自制心を失っています。さすがに見かねた群衆の中から非難の声が上がり出します。農民達にとって馬は貴重で身近なものだったでしょう。

コメント

_ 伯 ― 2021-01-28 12:56

この頃はまだ農奴制だったですよね。馬の本当の持ち主は農民だったのでしょうか?

_ mir→伯さん ― 2021-01-29 13:26

この小説が連載され始めたのが1866年ですが、すでにその5年前の1861年に皇帝アレクサンドル二世が農奴解放令を出しています。また、その時点まで領主に全面的に隷属していた農奴は農民の全部ではなく半数ほどだったそうです。ミコールカが、「俺の馬だ」 と言っているところからも、彼は馬を所有していたと思われます。

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