エンドウ ― 2011-08-11
なぜ来ないのだ ― 2011-08-12
≪Вот они встанут теперь, Фёдор Павлович, и начнут сейчас приставать ко мне каждую минуту: "Что не пришла? Зачем не пришла?" - и так вплоть до полуноч, даже и заполночь. А коль Аграфена Александровна не прийдёт (потому что оне пожалуй совсем и не намерены вовсе никогда прийти-с), то накинутся на меня опять завтра поутру: "Зачем не пришла? Отчего не пришла, когда прийдёт?" - точно я в этом в чём пред ними выхожу виноват.≫
<試訳> 「ほら、今、フョードル様が起きられますとすぐに私に付きまとい始めまして一分毎に“どうだ、あの女は来なかったか、なぜ来ないのだ”と、こうです。しかも真夜中まで、いえ真夜中過ぎまでもそんな有様でして。もしアグラフェーナ様が来ないとなりますと(もっともおそらくあの方はこれからだってまるっきり来るつもりなどないのですから)、明日の朝早くにはまた私めに襲いかり“どうして来なかった。なぜ来んのか、いつ来るんだ”と、まるでそれが私のせいでもあるかのようでして」
・ 分別なくグルーシェンカを待ち焦がれているフョードルの様子をスメルジャコフが語り、自分が問い詰められて苦しんでいる事をイワンに訴えるのです。それにしても何か意図のあるような言い方です。
<試訳> 「ほら、今、フョードル様が起きられますとすぐに私に付きまとい始めまして一分毎に“どうだ、あの女は来なかったか、なぜ来ないのだ”と、こうです。しかも真夜中まで、いえ真夜中過ぎまでもそんな有様でして。もしアグラフェーナ様が来ないとなりますと(もっともおそらくあの方はこれからだってまるっきり来るつもりなどないのですから)、明日の朝早くにはまた私めに襲いかり“どうして来なかった。なぜ来んのか、いつ来るんだ”と、まるでそれが私のせいでもあるかのようでして」
・ 分別なくグルーシェンカを待ち焦がれているフョードルの様子をスメルジャコフが語り、自分が問い詰められて苦しんでいる事をイワンに訴えるのです。それにしても何か意図のあるような言い方です。
紫陽花 ― 2011-08-13
銃を手にして ― 2011-08-14
≪С другой строны такая статья-с, как только сейчас смеркнется, да и раньше того, братец ваш с оружьем в руках явится по соседству: "Смотри, дескать, шельма, бульйонщик: проглядишь её у меня и не дашь мне знать, что пришла, - убью тебя прежде всякого".≫
「一方ではこんな事情もありますんですよ。そのうち夕闇が迫って来るとすぐに、いやもっと早くかも知れませんですが、あなたのお兄様が銃を手にして近くに現れて、“いいか、ペテン師、コック野郎め、あの女を見逃して、来た事を知らせなかったら、誰よりも真っ先にお前を殺すぞ”と、こういう具合でして」
・ ドミートリィからも脅迫されているとスメルジャコフはイワンに伝えます。来るあてのない彼女を巡って父と息子の猜疑心がが膨れ上がり、それがスメルジャコフにぶつけられます。
「一方ではこんな事情もありますんですよ。そのうち夕闇が迫って来るとすぐに、いやもっと早くかも知れませんですが、あなたのお兄様が銃を手にして近くに現れて、“いいか、ペテン師、コック野郎め、あの女を見逃して、来た事を知らせなかったら、誰よりも真っ先にお前を殺すぞ”と、こういう具合でして」
・ ドミートリィからも脅迫されているとスメルジャコフはイワンに伝えます。来るあてのない彼女を巡って父と息子の猜疑心がが膨れ上がり、それがスメルジャコフにぶつけられます。
なぜあの女は来なかったのだ ― 2011-08-15
≪Пройдёт ночь, на утро и они тоже как и Фёдр Павлович мучительски мучить меня начнут: "зачем не пришла, скоро ль покажется", - и точно я опять-таки и пред ними виноват выхожу-с в том, что ихняя госпожа не явилась.≫
<試訳> 「夜が明けて朝になりますと、フョードル様と同じようにひどく私を苦しめ始めるんでございますよ。“なぜあの女は来ないんだ、すぐやって来るのか”と、こうなんです。またしてもあのお方が現れないのはまるで私のせいだという具合でして」
・ ドミートリィに対するスメルジャコフの愚痴が続きます。イワンにこれほどしつこく説明するからには、何かの意図があるのでしょう。
<試訳> 「夜が明けて朝になりますと、フョードル様と同じようにひどく私を苦しめ始めるんでございますよ。“なぜあの女は来ないんだ、すぐやって来るのか”と、こうなんです。またしてもあのお方が現れないのはまるで私のせいだという具合でして」
・ ドミートリィに対するスメルジャコフの愚痴が続きます。イワンにこれほどしつこく説明するからには、何かの意図があるのでしょう。
自殺しようかと思う程 ― 2011-08-16
≪И до того с каждым днём и с каждым часом всё дальше серчают оба-с, что, думаю, иной час, от страху сам жизни себя лишить-с. Я, сударь, на них не надеюсь-с.≫
<試訳> 「日毎に、時が経つにつれて、お二人とも益々お腹立ちがひどくなりますんで、時には恐ろしさで自殺しようかと思う程でございますよ。私はあの方達をもう信頼していませんのです」
・ スメルジャコフが使用人の立場らしからぬ事を口にします。フョードルとドミートリィから責められているとは言え、イワンにここまで話すのは不思議で、何かの計算があるのではと思わせます。イワンは明日ここを離れるのですから関わるつもりはないでしょう。
<試訳> 「日毎に、時が経つにつれて、お二人とも益々お腹立ちがひどくなりますんで、時には恐ろしさで自殺しようかと思う程でございますよ。私はあの方達をもう信頼していませんのです」
・ スメルジャコフが使用人の立場らしからぬ事を口にします。フョードルとドミートリィから責められているとは言え、イワンにここまで話すのは不思議で、何かの計算があるのではと思わせます。イワンは明日ここを離れるのですから関わるつもりはないでしょう。
癲癇の発作 ― 2011-08-17
≪Наверно полагаю, сударь, что со мной завтра длинная падучая приключтся.
- Какая такая длинная падучая?
- Длинный припадок такой-с, чрезвычайно длнный-с. Несколько часов-с али пожалуй день и другой продолжается-с. Раз со мной продолжолось это дня три, упал я с чердака тогда.≫
<試訳> 「きっと、明日私に癲癇の長い発作が起こると思っていますんで」
「何なんだ、その長い発作というのは」
「長い発作はですね、恐ろしく長いのでございます。数時間か、あるいは一日か二日続くんでございます。一度などはそれが三日も続きましてね、屋根裏から落ちた時でございますが」
・ スメルジャコフが発作についてイワンに打ち明けます。先にアリョーシャの発作の場面がも描かれていましたが、作者自身がその病気を持っていたのです。予兆を感じる事があるにしても一日前というのは早過ぎて奇妙です。
- Какая такая длинная падучая?
- Длинный припадок такой-с, чрезвычайно длнный-с. Несколько часов-с али пожалуй день и другой продолжается-с. Раз со мной продолжолось это дня три, упал я с чердака тогда.≫
<試訳> 「きっと、明日私に癲癇の長い発作が起こると思っていますんで」
「何なんだ、その長い発作というのは」
「長い発作はですね、恐ろしく長いのでございます。数時間か、あるいは一日か二日続くんでございます。一度などはそれが三日も続きましてね、屋根裏から落ちた時でございますが」
・ スメルジャコフが発作についてイワンに打ち明けます。先にアリョーシャの発作の場面がも描かれていましたが、作者自身がその病気を持っていたのです。予兆を感じる事があるにしても一日前というのは早過ぎて奇妙です。
ガウラ ― 2011-08-18
予測できない発作 ― 2011-08-19
≪- Да ведь, глворят, падучую нельзя заранее предузнать, что вот в такой-то час будет. Как же ты говоришь, что завтра придёт? - с особенным и раздражительным любопытством осведомился Иван Фёдрович.
- Это точно что нельзя предузнать-с.≫
「だが、癲癇はこの時間に起こると前もって予測できないそうじゃないか。一体どうしてお前は明日起こると言うんだ」、苛立つような特別な関心を持ってイワンは問いただした。
「予測できないというのはその通りでございます」
・ 明日癲癇の発作を起こすと言うスメルジャコフの奇妙な話をイワンが追及します。無視して通り過ぎようとしていたイワンがすっかりスメルジャコフの話に引き込まれていきます。
- Это точно что нельзя предузнать-с.≫
「だが、癲癇はこの時間に起こると前もって予測できないそうじゃないか。一体どうしてお前は明日起こると言うんだ」、苛立つような特別な関心を持ってイワンは問いただした。
「予測できないというのはその通りでございます」
・ 明日癲癇の発作を起こすと言うスメルジャコフの奇妙な話をイワンが追及します。無視して通り過ぎようとしていたイワンがすっかりスメルジャコフの話に引き込まれていきます。
穴倉に落ちる ― 2011-08-20
≪- К тому же ты тогда упал с чердака.
- На чердак каждый день лазею-с, могу и завтра упасть с чердака. А не с чердака, так в погреб упаду-с, в погреб тоже каждый день хожу-с, по своей надобности-с.≫
<試訳> 「しかもその時は、屋根裏から落ちたのだろうが」
「屋根裏には毎日上がっておりますんで、明日も屋根裏から落ちるかも知れませんです。屋根裏からでなければ、穴倉へ落ちることになりましょう。穴倉にも毎日自分の用で行っておりますんで」
・ スメルジャコフが発作を起こす場所をイワンに告げます。予測できないはずの癲癇について意味ありげに予告する不気味さが伝わってきます。
- На чердак каждый день лазею-с, могу и завтра упасть с чердака. А не с чердака, так в погреб упаду-с, в погреб тоже каждый день хожу-с, по своей надобности-с.≫
<試訳> 「しかもその時は、屋根裏から落ちたのだろうが」
「屋根裏には毎日上がっておりますんで、明日も屋根裏から落ちるかも知れませんです。屋根裏からでなければ、穴倉へ落ちることになりましょう。穴倉にも毎日自分の用で行っておりますんで」
・ スメルジャコフが発作を起こす場所をイワンに告げます。予測できないはずの癲癇について意味ありげに予告する不気味さが伝わってきます。
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