熱情に陥ったほうが2012-07-24

 ≪Без сомнения иной юноша, принимающий впечатления сердечные осторожно, уже умеющий любить не горячо, а лишь тепло, с умом хотя и верным но слишком уж,судя по возрасту, рассудительным (а потому дешёвым), такой юноша, говорю я, избег бы того, что случилось с моим юношей, но в иных случаях, право, почтеннее поддаться иному увлечению, хотя бы и неразумному, но всё же от великай любви происшедшему, чем вовсе не поддаться ему.≫

<試訳> 確かに青年の中には、心に受けた印象を慎重に受け止めて熱することなくただ穏やかに愛する事ができ、正確ではあるけれど年齢としては余りに物分りの良すぎる(それだけに安っぽいのだが)考えをもった者もいる。そのような青年は、私の考えでは、私の主人公に起こったような事を免れただろう。しかし場合によっては、本当のところ、例え理性を欠くにせよ偉大な愛から生じた熱情に陥ったほうが、全くそれに影響されぬよりも尊敬すべきなのだ。

・ 釈明しないと言いながらも、他の青年を引き合いに出してアリョーシャへの弁護が続きます。カラマーゾフ家の人々の熱に浮かされたような直情を愛する作者の気持がわかります。

コメント

_ 慎之介」 ― 2012-07-24 18:37

作者が創った登場人物をこのように弁護していくなんて、しかも、小説の中に入り込んで、、、、。少々違和感を持ってしまいます。

_ mir→慎之介さん ― 2012-07-25 08:57

そうですね。作者は主人公アリョーシャについて、序文で 「・・・私にとって彼は優れた人物であるが、果たして読者にうまくそれを証明できるかどうか、全く自身がない」(原卓也訳) と述べています。ここでも何とか理解してもらおうと筆を重ねている作者の姿が見えます。

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