驚くなかれ零下150度2017-09-04

 ≪Духи не замерзают, но уж когда воплотился, то... словом, светренничал, и пустился, а ведь в пространствах-то этих, в эфире-то, в воде-то этой, яже бе над твердию, - ведь это такой мороз... то есть какое мороз, - это уж и морозом назвать нельзя, можешь представить: сто пятьдесят градусов ниже нуля!≫

<試訳> 「霊だと凍えやしないけど、もう生身の姿になってしまっていたからね、それはもう… 要するに、うっかりして飛び出してしまったんだ。ところがこの空間ってのはエーテルの中だろう、大地の上空にあるこのとんでもない溶媒の中はね ― だってひどい寒さで… つまり厳しいなんてものじゃないよ。もう厳寒という言葉では言い表せない、驚くなかれ零下150度さ!」

・ 当時は光が伝わるための媒質としてエーテルが宇宙空間を満たしていると考えられていました。そこを悪霊の化身が燕尾服にチョッキの前をはだけ、手袋をした両手を伸ばしてスーパーマンのように飛ぶ様は、まるで絵本の挿絵です。陰鬱な描写を離れて、SFの世界でペンを走らせ楽しんでいるようです。
この部分を引用しているロシアのサイトの説明に、“ ガガーリンよりも早く、最初に宇宙を飛んでいた… ” とありました。事実80年ほども先んじていたのですから、作者の創意の先見性、文学の自由度を強く感じます。