苦悩こそが人生2017-09-18

 ≪Вот и служу, скрепя сердце, чтобы были происшествия, и творю неразумное по приказу. Люди принимают всю эту комедию за нечто серьёзное, даже при всём своём бесспорном уме. В этом их и трагедия. Ну и страдают, конечно, но... всё же зато живут, живут реально, не фантастически; ибо страдание-то и есть жизнь.≫

<試訳> 「それで僕はいやいやながら事件が起きるように働いて、命令通りに馬鹿げた事を創り出しているわけさ。人間達は文句のないほどの知性がありながら、この喜劇をまるで何か深刻な事だと見なしている。この事こそ彼らの悲劇だな。そりゃ苦しんではいるさ、もちろん、けれど… とにかく、その代わり彼らは生きている、幻想ではなく現実に生活しているよ。なぜって、苦悩こそが人生だからね」

・ 悪魔の話が哲学めいてきます。イワンの思考の反映です。当時の人々の生活や信仰等の背景を知る必要がありそうです。人間が自ら事件を求めて、それによって苦しんで生きているという指摘は、時代を超えて現代にも通じると思います。
抽象的で分かりにくい部分ですが、逆にそこに、検閲のもとでも何とか表現を工夫し抑制しながらも批判精神を発揮している作者の姿を感じます。