深い森に入って2009-12-15

「ある家族の歴史」から第一編は始まりますが、カラマーゾフ家の人々について語られます。父フョードルの二度目の妻ソフィヤについて、
 
 « Меня эти невинные глазки как бритвой тогда по душе полоснули »

<試訳> あの無垢な眼差しが、あん時、わしの魂を剃刀のようにスパッとやったわけだ。

 背徳的なフョードルが無垢なるものに魅かれたことを告白する。それを語る彼の中に、汚辱の自覚のなかで純なものを求める人間の本性を知り救いを感じる。それは後に、アリョーシャへの彼の心情としても表現される。