父親フョードルの情2009-12-24

フョードルは長広舌のあとアリョーシャの修道院入りを認める。

≪хоть до тебя как до ангела ничего не косаетья.... Ну авось и там до тебя ничего не косаетья, вот ведь я почему и дозволяю тебе, что на последнее надеюсь.  Ум-то у тебя не чорт сьел. Погоришь и погаснешь, вылечишься и назад придёшь. А я тебя буду ждать: ведь я чувствую же, что ты единственный челобек на земле, который меня не осудил・・・.≫

<試訳> もっとも、天使に触れないように、おまえには何物も触れないからなあ・・・。そうだとも、きっとあそこでだって、おまえに誰一人触れはせん、そのことを当てにするからこそ認めるというわけだ。おまえの分別は悪魔に食われとらん。燃え盛って燃え尽きて迷いが覚めたら戻って来い。わしはおまえを待っとるよ。おまえはわしを責めなかった地上でたった一人の人間だと感じてるんだ・・・。

許可を求める息子アリョーシャを前に、父はあれやこれやと自説を開陳し続けます。この間、息子は一言も口を挟まないで聞いています。大審問官の場面をちょっと想起します。とうとう父は最後にすすり泣きさえします。この場面は、
≪Он был сентиментален. Он был зол и сентиментален.≫
 <彼は、涙もろい男だった。彼は悪漢であったが、涙もろい男だった>で結ばれています。無垢なるもの、息子との別れに際してフョードルが見せる真情ではないでしょうか。

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