すべて低劣なり2010-04-27

フョードルが息子たちを前に語る

≪А Россия свинсиво. Друг мой, если бы ты знал, как я ненавижу Россию... то-есть не Россию, а всё эти пороки... а пожалуй, что и Россию. Tout celf c’est de la cochonnerie. Знаешь, что люблю? Я люблю остроумие.≫

<しかしロシアは無知蒙昧だよ。なあ、どんなにわしがロシアを嫌っておるか分かって欲しいもんだよ・・・つまり、ロシアをじゃなく、こんな悪習の全てをだよ・・・まあ多分ロシアをということだがな。「それは、すべて低劣なり」だ。わしが何を好いてるか知ってるか? わしが好きなのは機智に富んでるってことだよ。

下僕たちを退けた後、残ったフョードル、イワン、アリョーシャが大きな食卓を囲んでいます。父と二人の息子が考えを述べ合う、まるで舞台の芝居を見ているような場面が続きます。フョードルはもうコニャックを過ごしている状態ながら”機智に富み”論理に筋が通っていて只者ではないことをうかがわせます。彼はよく仏語を引用しますが、当時のロシア知識人?のフランスへの憧れ、逆に遅れている自国への劣等感が感じられます。