またも血に染めたかも2013-12-25

 ≪Ко всякому другому, явись такой, приревновал бы тотчас же и может вновь бы намочил свои страшные руки кровью, - а к этому, к этому "её первому", не ощущал он теперь, летя на своей тройке, не только ревнивой ненависти, но даже враждебного чувства, - правда ещё не видал его.

<試訳> このように現れたならそれが他の誰であっても、すぐさま嫉妬し出し、もしかしたら自分の恐ろしい手をまたも血に染めたかも知れないのに、この人物、この “ 元の恋人 ” に対しては、トロイカで飛ばしながらも今ミーチャは嫉妬の憎しみどころか敵意さえ感じなかった ― もっとも彼はまだその男に会ってはいなかったのだが。

・ ドミートリィがグルーシェンカの恋人に嫉妬も敵意も感じていない事が強調されます。“ 将校 ” がどんな人物なのか興味が募ります。

コメント

_ OB ― 2013-12-25 16:45

ドストエフスキーは自身の経験から、嫉妬についても専門家であるようだ。並はずれた想像力ゆえに精神を病むほどの苦しみをなめたという。だがここでドミートリーは、顔も知らない将校には嫉妬も敵意も感じていない。不思議な気もするが、嫉妬心は想像力の産物ということか。いかようにも考えられて興味深いです。

_ mir→OBさん ― 2013-12-25 21:42

再生の最後の望みをグルーシェンカとの新生活に賭けていたドミートリィですが、彼女が突然出現した将校に走り去り、その本心を思い知らされた事、グリゴーリィを殴り殺したかも知れない事、この二つが彼にもはや自分に明日はないと悟らせ、嫉妬心も湧かないのではないでしょうか。今の段階ではそのように感じます。

_ OB ― 2013-12-25 22:21

mirさんの説明で疑問の霧が晴れました。ちょうどNHK-TVで『罪と罰』のラスコーリニコフが殺人を犯したことで…私は死んだ…とつぶやくところをみました。事を起こしてしまった今のドミートリィが、まさにそうなのですね。

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