謎があるに違いない2015-11-05

 ≪- А всё-таки Карамазов для меня загадка. Я мог бы и давно с ним познакомиться, но я в иных случаях люблю быть гордым. При том я составил о нём некоторое мнение, каторое надо ещё проверить и разъяснить.
Коля важно примолк; Смуров тоже. Смуров, разумеется, благоговел пред Колей Красоткиным и не смел и думать равняться с ним. Теперь же был ужасно заинтересовал, потому что Коля объяснил, что идёт "сам по себе", и была тут стало быть непременно какая-то загадка в том, что Коля вдруг вздумал теперь и именно сегодня идти.≫

<試訳> 「どっちにしろ、僕にはカラマーゾフは謎だな。以前からあの男と知り合う事もできたけど、時によって僕は誇り高くありたいからね。それでも彼についてちょっとした見解をまとめたよ、もっとそれを調べて解明しなけりゃならないけどな」
コーリャは重々しく口を閉ざし、スムーロフも黙った。スムーロフはコーリャ・クラソートキンに対して当然ながら尊敬しきっていたので、あえて張り合おうとも思わなかった。今ひどく興味を感じ出したのは、コーリャが “ 勝手に行くんだ ” と説明したからだった。そうならば今頃になってコーリャが、他ならぬ今日突然訪ねようと思い立ったのには、きっと何かそこに謎があるに違いないのだ。

・ コーリャはスムーロフに対して難しい事をかまわず話します。スムーロフにとっては先輩が大人びて見えるでしょう。アリョーシャの事もまるで対等のような言い方です。将来何か大きなことをするタイプに思われます。高野史緒が「カラマーゾフの妹」で、13年後の彼に大きな役割を与えているのも分かります。

(この試訳を開始して6年、2千回目の節目です。東日本大震災直後や都合による中断もありましたが、よく続いたものだと思っています。部屋の机で、喫茶店で、乗り物の中で、病室のベッドで・・・、その時その場所の記憶と結びついて、この魅せられた物語の場面が蘇り感慨深いです。思いを新たに読み進んでいくつもりです。ご覧いただいている皆さん、コメントを寄せて下さった皆さんに感謝します。 mir )

コメント

_ OB ― 2015-11-05 16:38

2000回ですか。世のできごとを重ねてみると、この時間は実に長い!貴兄がお元気で訳し通されるよう祈ります。毎回、解説も楽しみです。

_ mir→OBさん ― 2015-11-06 11:28

ありがとうございます。たどたどしくもここまでやってこられました。応援の眼差しを感じながら、深くて気高い森を、また一歩一歩進んでいきます。よろしくお願いします。

_ R ― 2015-11-09 13:16

2千回おめでとうございます。
重厚な作品で取り組み甲斐がありますね。
原語で読む→訳す工程の中で,言葉を噛みしめ,言葉を選び,作者が作品を紡ぐ過程の一部を追体験されていらっしゃると思います。原語でそのまま読むよりも,より深く味わっていらっしゃるかと。

ブログを拝見している中で,政治,宗教,文化の制約が厳しい時代の中からこそ生み出された作品でもあることを改めて感じています。作者はあの世には居ないと思いますが(笑),いつかどこかで会えるとしたら質問したいことがたくさんあります。
これからも更新を楽しみにしています。

_ mir→Rさん ― 2015-11-09 21:40

ありがとうございます。
翻訳は私にとってはロゼッタ石を苦労して解読して、そこに潜んでいた未知の世界が深く広がるのを見るような感覚です。ちょうど写真の現像で印画紙に画像が表れてくるような瞬間を楽しむようです。時を隔てていながら、心を揺さぶる人間の営みがあるのは今も同じだなあといつも思います。確かに最適の言葉を探す作業は、畏れ多いですが作者の体験と似た所があるかも知れません。ただ、向うは創作、こちらは模写ですが。
これからも、応援を励みに続けます。

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