誰にも内緒で書いています2010-07-22

リーズからの手紙を読むアリョーシャ

≪В нём было к нему пмсьмецо, подписанное Lise, - тою самою молоденькою дочерью госпожи Хохлаковой, которая утром так смеялась над ним при старце. "Алексей Фёдорович, - писала она, - пишу вам от всех секретно, от мамащи , и знаю, как это нехорошо. Но я не могу больше жить, если не скажу вам того, что родилось в моём сердце, а этого никто кроме нас двоих не должен до времени знать.≫

<試訳>その封筒の中にリーズとサインされた彼への手紙が入っていた。ホフラーコワ夫人の若い娘、今朝、長老の前でアリョーシャをあんなにからかって笑ったあの娘である。”アレクセイ・フョードロビッチ-と彼女は書いていた-誰にも内緒で書いています、お母さんにだってです、どんなにいけないことかも知っていますわ。でも、私の心に芽生えたことをあなたにお話しせずにはこれ以上生きていけませんの、このことは私たち二人のほかには、誰にも時が来るまで知られてはいけないのです”

更けていく僧庵の夜、揺れる蝋燭の灯で静かに手紙に見入るアリョーシャの姿を思い浮かべます。心寄せるリーズの恋文のあたたかさが、先刻出会った荒々しい言葉と対比されてほのぼのとした気持ちを誘います。足が不自由なリーズは車椅子で母と共に僧院の場面で登場しています。他の作品でも「足の不自由な女性」が出てくるところを見ると、何か作者の籠められた意図を感じます。