憎悪に満ちた蔑むような視線2019-10-22

 ≪А когда вы вошли тогда, и когда я вас кликнула, а ему велела воротиться, то, как вошёл он с вами, меня до того захватил гнев за ненавистный, презрительный взгляд, которым он вдруг поглядел на меня, что - помните - я вдруг закричала вам, что это он, он один уверил меня, что брат его Дмитрий убийца!≫ 

<試訳> あなたがやって来られたあの時ですわ。私があなたに声をかけてあの方にも戻るように言って、一緒に入って来られたとたん、私を眺めたあの方の憎悪に満ちた蔑むような突然の視線に、私は怒りに襲われました。覚えていらっしゃるでしょう、お兄様のドミートリィが殺人犯だと断言したのはこの方です、この方だけです! と、突然叫んだのです。

・ カテリーナが言ったように、実際にあの時点でイワンがドミートリィの犯行を確信していたか疑問です。疑ってはいたと思いますが、真相を知ったのはスメルジャコフを訪ねた公判前夜で、そこで大きな衝撃を受けているのですから。カテリーナはドミートリィから犯行予告の手紙を見ていたので、疑っていたと思います。

コメント

_ 慎之介 ― 2019-10-22 09:11

誰をも素直にさせてしまうアリョーシャ。不思議な雰囲気を持った人、他の兄弟と似たような境遇だったにもかかわらず。作者はこれからまたカテリーナの厭な部分を描き出すのでしょうか?文章にされると一読者としては辛い。

_ mir→慎之介さん ― 2019-10-23 10:00

アリョーシャの受容の姿勢に、相手が我知らず胸の内を語ってしまいますね。修道院でゾシマ長老に学んだところも大きいでしょうが、放蕩な父を反面教師としてその道を選んだのは彼自身なので、もともと備わっていた資質かも知れません。それがかえって、現実感のない存在に感じる事もあります。でもアリョーシャも ” 僕もカラマーゾフ、いずれ兄と同じ所へ…” という意味の事をドミートリィに語る場面がありました。兄弟達は皆がフョードルの一面を受け継いでいると言われますから、清濁併せ持つ人間の複雑さを考えさせられます。
カテリーナもまた、自身の厭わしいところに苦しむ一人です。

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